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2012年10月31日

茅ケ崎の町工場グループ

精密部品の金属加工や設計試作などを事業とする従業員数人から20人ほどの茅ケ崎の町工場のグループが、高い技術力を生かし、欧州市場への挑戦に乗り出している。

パリで11月6日から9日まで開かれる国際見本市に日本から唯一出展し、欧州の航空宇宙産業などとのビジネスチャンスを狙う。

メンバーの「ダイショウ」(茅ケ崎市円蔵、従業員6人)の石塚裕社長(43)は「日本市場が縮小する中、研究開発が盛んな先進国市場を開拓したい」と意気込んでいる。


グループは、茅ケ崎機械金属工業団地などに工場を置く中小企業の2、3代目の経営者が連携した「茅ケ崎ものづくりサークル」。
別称は「CmonoC(シーモノーシー)」。
ダイショウ、由紀精密(円蔵、大坪由男社長)、シンクフォー(同、山下祐社長)、永井機械製作所(萩園、永井康裕社長)、相田製作所(同、相田利光社長)、佐藤製作所(萩園、佐藤憲二社長)の6社がメンバー。
高い技術力で先端産業などに精密部品などを供給している。

今回はダイショウ、由紀精密、シンクフォー、永井機械製作所の4社が共同で、世界を代表する産業下請け関連の国際見本市「MIDEST」(ミデスト)に出展する。
同見本市は約40カ国の約1,700社が出展予定。
昨年は約70カ国から4万人以上のビジネス関係者が訪れている。

4社はチタンやニッケル合金の加工品サンプル約20個と英語のパンフレットなどを用意し、仏語、英語ができる社員ら5人が渡仏する予定だ。

きっかけは昨年のパリ航空ショー。
由紀精密が単独出展したところ、複数の商談が舞い込んだ。
その後、4社で3回のフランス視察を重ね手応えをつかんだ。

石塚社長は「フランスは航空宇宙産業の対GDP比が世界一。小ロットの航空宇宙系の仕事が多く試作開発も盛ん。われわれの部品を使った日本製品が実際に使われている。親日でもある」と指摘。
現在の欧州は経済危機に見舞われ、円高ユーロ安など条件は悪いが、途上国に進出するよりは高い技術力で付加価値の高い製品を受注できると判断した。
「日本で生産、輸出するが、将来的には現地生産も目指したい」と話している。

茅ケ崎ものづくりサークルは2009年に発足。
親の世代は競争相手で交流もなかったが、30代から40代の後継者の世代は顔見知りとあって、厳しい経済 環境の中で生き残りを賭けて連携した。
それぞれの得意分野を生かして共同受注なども行い、互いの工場を自社の別工場の感覚で活用している。
現在では受注の1割ほどがグループ内という。

カナロコより

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2012年10月30日

読書用メガネ販売


米国のメガネ業界で、処方箋なしで気軽に購入できる読書用メガネは、同業界の唯一の上昇マーケットだという。

中でも、ニューヨークの「モラルアイズ」と、ミシガンシティーにある「ピーパーズ」は、それぞれデザイン性のある読書用メガネを提供するだけでなく、社会貢献を目的とした活動も行っている。

ニューヨークで、モラルアイズを昨年立ち上げたジョー・サックス氏は、10年以上メガネ業界に従事してきた。起業をする際に、どうせ会社を始めるなら、社会に貢献するような企業にしたいと強く思ったという。

「ビジネススクール在学中に、トムスシューズの存在を知って、自分が長年携わって来たメガネ業界で、同じようなコンセプトの事業が立ち上げられないかと考えるようになった」

トムスシューズは、「1足販売に付き1足寄付を」というコンセプトで、アルゼンチンをはじめ、靴を買えない子どもたちのために、販売分と同じだけ靴を寄付する活動を行う社会的企業である。

サックス氏は事業を立ち上げる過程で、「ニュー・アイズ・フォー・ザ・ニーディ」という慈善団体をパートナーに選んだ。
ニュー・アイズは、1932年創立の歴史ある団体で、米国内だけでなく、世界中にいる目が悪くてもメガネを購入できない人々に寄付をするという活動を行っている。
これまでに世界で750万 人以上に、メガネの提供を行ってきた。

モラルアイズは、起業をした2011年から約1年半で、すでに1万5千個のメガネの寄付をニュー・アイズに行った。
実際にサックス氏は、南米のホンデュラスまで医師に同行し、寄付したメガネが子どもたちの手に渡るのを目にし、ビジネスの更なる発展へのモチベーションになったという。

モラルアイズが提供する読書用メガネは、小売価格で約20ドル。
いずれも色や形ともに、ユニークなフレームが揃う。
また低価格の15ドル前後で販売しているサングラスも人気だ。
そのデザイン性とコンセプトが人気を呼び、ファッションブランドのファッションショーやカタログ撮影などの小道具としても人気を集める。

消費者目線で用意しているメガネには、1点ずつ度数毎のカラーシールが取り付けられ、ラックに掲げられたリストで度数を確認したら、一目でどの度数のメガネが置いてあるかが分かるようになっている。
こうした細かいカスタマーサービスも、サックス氏が長年メガネ業界に従事してきたからこそ、実現したサービス内容だ。

さらに、現在モラルアイズが積極的に押し進めている社会貢献プロジェクトが、「リサイクルプログラム」だ。
商品を扱う店舗で、小さな箱を設置。
使用しなくなったメガネをリサイクルする活動を開始した。
集められたメガネは、ニュー・アイズの事務局に送られ、米国内並びに国外でメガネを必要とする人々に提供される。

一方、1993年からピーパーズという読書用メガネを販売する、老舗の「ピーパーズ・リーディング・グラス」も、長年ニュー・アイズを通してメガネの寄付を行って来たが、2012年は「ヒマラヤン・ヘルス・エクスチェンジ」と「ソールズ・フォー・ソールズ」を通して1千個のメガネ(1万5千ドル相当/117万円相当)を行った。

オーナーであるアレック氏とリンジー・サンマン氏は、「社会貢献は、我々の会社にとって重要な事業の一つ。我々の商品が、人々の視力と取り戻すことに本当に役立っているということを直接知ることは、とても感動的なことだ。我々が自分たちのやっていることを好きでやっている理由の一つでもある」と語る。

視力は、人々が快適な生活を送るための重要なマターの一つである。
メガネを得ることで、普通の生活を取り戻すことができた人々を目の当たりにすることは、感動的なことだろう。

普段何気なくメガネを購入していた人々が、両社のメガネを通じて改めてメガネがなかった場合の不便さに気が付き、実際に不便な生活を送っている人たちを思って行動をする。
メガネという小さな物が、人々の生活を変化させることができる。
それこそ両社が行っている社会貢献的活動の意義である。
【寺町幸枝】

オルタナより

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2012年10月29日

じょうえつ東京農大


新潟上越市の中山間地で耕作放棄地を再び開墾して、有機農業を軸に再生させる取り組みが進んでいる。

核になるのは東京農業大学(東京・世田谷)が中心となって設立した株式会社「じょうえつ東京農大」だ。

大学が農業法人を設立するのは異例だ。


有機栽培のコメや農大ブランドの加工品などが人気を集め、売上を徐々に伸ばしている。

じょうえつ東京農大は2008年の設立で2009年から農業生産を始めた。
それまでは文部科学省の学術フロンティア事業として、経営として成り立つ有機農業の研究を進めていた。
試みをさらに深めようと、大学関係者や地元の有力企業などが5千万円を出資してスタートした。

まず取り組んだのは同市西部の桑取・谷浜地区の約10ヘクタールの農地の再生だ。
同地区は50年ほど前に県の開拓事業で180ヘクタールの農地が造成されたが、3割は耕作放棄地になっていた。

社長を務める東京農大バイオビジネス環境学研究室の藤本彰三教授は、「農業生産額の約4割を占める中山間地域の活性化は日本の農業の再生に不可欠」と力説する。

本社は世田谷区の東京農大内にあるが、上越市の農場では5人のスタッフが有機の里づくりに取り組む。
主力の生産品目はコメだ。
山麓から引いた水を使って生産したコシヒカリは粘りが強すぎず、香りや甘みがしっかりしている。
有機栽培のため原発事故後に消費者の安全志向が強まり、販売は好調だ。

冬場にはダイコンをつくる。
ソバとカボチャの二毛作を軌道に乗せたほか、ズッキーニやジャガイモなど生産品目を13種類に増やした。
栽培面積は14ヘクタールまで拡大した。

生産手法の研究としては有機栽培の課題である除草方法を中心に取り組む。
アイガモ農法のほか光を遮断する再生紙を使ったり、水田に米ぬかをまいたりした。
収穫の繁忙期には大学生や研修生に農業体験や研究の一環として参加してもらっているが、さらに都会から人を呼び込むアイデアを練る。

収穫物や加工品はインターネットや上越市の小売店のほか、都内の東京農大の併設カフェなどでも販売する。
武器になるのは「大根踊り」などで浸透している「農大」の知名度だ。
今年度は上半期まで売上高が前年度を15%ほど上回っており、黒字を確保できる可能性も出てきた。

課題も多い。
収入のうち、中山間地に対する直接支払制度による補助金が約2割を占める。
5人のスタッフを抱えるため、より規模を拡大しなければ経営は安定しない。
コメの収量は10アールあたり300キロ以下と通常の6割ほどにとどまる。

強みは全ての農地で有機JAS(日本農林規格)認定を取得していることだ。
今後は黒字を確保したうえで、他の企業に委託している漬物や調味料など加工品の生産を自前の加工施設で手掛けるのが目標だ。

同社の試みは東京農大が掲げる実学の精神や社会貢献そのものだ。
ただ、経営の安定は不可欠だ。
藤本社長は「有機栽培をベースに全国の中山間地で生かせる経営モデルをつくりたい」と話す。
作物や加工品だけでなく中山間地の再生モデルで新たな「農大ブランド」を確立できるか。
挑戦はつづく。
【高田哲夫】

日経流通新聞より

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2012年10月26日

コーヒー豆かすの植木鉢

カフェチェーンのプロントコーポレーション(東京・港)は、店舗で出るコーヒー豆かすを再利用した植木鉢とポインセチアをセットにして売り出した。

まずクリスマスの贈答用を想定し、11月30日までインターネットで600鉢を限定販売する。

店舗から1日2トンが出るコーヒー抽出後のかすを活用し、環境に配慮する姿勢を訴える。

植木鉢「カフェ ツチコ」はコーヒー豆かす3割と杉の間伐材7割を混ぜて固めた。
100%植物由来のため、鉢ごと土に植え替え可能。
不要になれば砕いて土にかえすこともできる。

同じサントリーグループのサントリーフラワーズ(同)の「プリンセチア」を植えて発売した。
花の色は「ルージュ」や「ピンクホワイト」など3種類で価格は書く2,980円。
注文から7営業日以降に届くが、11月21日から12月9日の間に配達日の指定もできる。

植木鉢のみは850円。
プロントへのメールか顧客窓口に電話で注文し、最寄りの店で受け取るか配達かを選べる。

日経流通新聞より

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2012年10月23日

アップサイクル

本来の用途で使えないためゴミとして捨てられてしまう廃材を集め、ストーリーや背景を活かした独自の商品を続々と開発し、アップサイクルの意識を高める活動をしているNPO法人NEWSED PROJECT(東京・千代田)。

彼らは、9月27日(木)~12月9日(日) の74日間に渡って、北は仙台から南は台北まで国や地域を超えた29ヵ所の取扱店で「NEWSED POP UP TOUR」を開催中だ。

東京都内はもちろん、石川・京都・鳥取・富山・兵庫・静岡・大阪など全国各地で、通常の店舗販売では伝えきれない商品や素材に秘められているストーリーを伝えるための販売イベントを行っている。

箸の製造工程で切り落としてしまう端材(ペッチン)を使用したマグネット「PETCHIN MAGNET」。

ウェットスーツの余り生地とがま口金具を組み合わせた「GAMA pouch」。

破棄される運命にあった学校の椅子の背板を利用したハンガー「After school-hanger」。

国際交流センターや図書館などで読まれていた新聞や大学で配布されている英字新聞の余りを使って製作された手作りの「News paper bag」。

いずれも新たな視点で廃材を捉えることによって、それまで捨てられていた資源を見事に別の商品としてアップサイクルし、利用することを実現している。
資源の乏しい日本ならではの着眼点だ。

エコ商品に関心がある人はもちろん、廃材を再利用したビジネスを始めたい人や、廃材がたくさん出て処分に困っている企業や団体などにも有益なイベントといえよう。

「NEWSED POP UP TOUR」では、店舗によって取り扱っている商品が異なる。
また、石川県金沢市のARLESでは10月26日まで、東京都港区南青山のBOOK246では11月9日までという具合に期間も異なるため、NEWSED PROJECTの公式サイトで地元の店舗を確認してから足を運んでほしい。
【今一生】

オルタナより

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2012年10月17日

琉球漆器で楽しい給食

沖縄の伝統工芸に慣れ親しんでもらおうと、沖縄カトリック小学校(宜野湾市)で2日、給食用に琉球漆器を使用する実証実験が始まった

県工芸技術支援センターが主催。

5年生70人を対象に、おわん、小皿などが提供され、児童たちは温かみが感じられる器を手に、いつもとひと味違う給食の時間を楽しんでいた。
来年3月まで続けられる。

天然素材で作られる琉球漆器は、体に優しい一方で、「洗いにくい」「扱いが難しい」などのイメージから、使う人が減っているという。

同センターの糸数政次研究主幹は「琉球漆器は、傷ついたら、塗り直せば半永久的に使える。子どものころから親しんでもらい、リピーターになってもらいたい」と話す。

同センターは今回、学校の校庭にあったホルトノキを再利用し制作。

毎日の生活の中で使い続けてもらえるよう、漆の塗り方などを工夫し、食洗機でも洗える強い琉球漆器に仕上げた。

1セット約1万7千円の高価な器。
高級感漂う食器に、児童たちはわくわくした様子で給食を食べていた。
渡名喜ちみさん(5年)は「いつもより、食べやすい。給食の時間の雰囲気が違って楽しい。大切に使いたい」と話した。

沖縄タイムスより

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盛り土で津波被害軽減

清水建設は高さ10メートル以上の円すい台形の形状をした盛り土を海岸線付近に配置し、低コストで津波被害を軽減できる独自の手法「グリーンマウンド」を考案した。

廃棄物などを活用した古墳のような丘を複数、海岸線付近の居住地域につくり、これが津波の遮蔽効果などを発揮する仕組みだ。

大規模地震の発生時、津波被害が予想される太平洋側沿岸地域の自治体などへの提案を本格化する。


円すい台形状の「マウンド」は表層の30センチメートルを木材チップ、その下層の50センチメートル~1メートルを津波堆積物やしゅんせつ土、さらに内側の土台を石やコンクリート塊で構成する。
東北地方に建設する場合、大部分を震災廃棄物で補うことを想定する。

マウンドののり面の傾斜角は杭などが不要な30度未満に設定する。
表面に植樹や種子を吹きつけることで完成後、数カ月で環境に配慮した「緑」の丘になる。

清水建設の解析結果では、ほぼフラットな地形の沿岸部に高さ11メートルの津波の到来を想定した場合、高さ10メートルの小型マウンドをちどり状に4列配置すれば、海岸線から津波の遡上範囲を1,150メートル(無い場合は1,750メートル)に抑制できたという。
津波の到達時間は約3分遅くなり、最大浸水深も8.5メートルから5メートルに抑えられた。

小型マウンドの工期は6カ月で建設費用は1億円から、大型マウンドは18か月で億円から。

日経産業新聞より

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2012年10月11日

休耕地を活用して特産品づくり

水俣市のまちおこしを目指す市民らが、市内の休耕地を活用した芋焼酎づくりに取り組んでいる。

原料の芋や酒米を近く収穫し、来年春には4合瓶2,500本分の焼酎を完成させる予定。

名称やラベルデザインも募集し「水俣の新たな特産品にしたい」とメンバーらは意気込んでいる。

「円卓会議」と銘打ち、市が市民参加のまちづくりを掲げて昨年度設置した会合で、休耕地の活用や、環境を切り口にした特産品づくりが話題に上ったのがきっかけ。
水俣は鹿児島との県境にあって芋焼酎に親しむ市民も多いことから今回の計画が持ち上がった。

市内の長野地区にある休耕地20アールを使い、6月にサツマイモ(コガネセンガン)の栽培をスタート。
久木野地区で同時期に栽培した酒米と合わせて、鹿児島県阿久根市の酒造会社に黒麹(こうじ)による仕込みを委託する。
苗の植え付けなどに携わっている市民は15人ほど。
夏場にイノシシに畑を荒らされかけたりしたが、11月には2トン以上の芋を収穫し、来春には焼酎を完成させる予定だ。

芋は無農薬で栽培するほか、リユース(再利用)した「Rびん」に詰めて販売することで環境への配慮もアピールする。
中心メンバーの一人で市のまちおこし施設「愛林館」館長の沢畑亨さん(50)は「水俣で取れた材料を使った特産品として、地域活性化やイメージアップにつなげたい」と話している。

現在は名称を募集しており、採用者には完成した焼酎や賞金5万円を贈る。
応募は今月末まで。
誰でも応募できる。
【西貴晴】

毎日新聞より

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2012年10月08日

東京メトロ自慢の「1000系」

今年4月、黄色い塗装が印象的な新型車両がデビューした。

東京メトロ(東京都台東区)の銀座線(浅草-渋谷駅間)を走る「1000系」だ。
今走る車両は1編成のみのプロトタイプ(試作車)。

来年度以降、量産化が進むことで順次、新型車両が投入される計画で「今はまだ乗車する機会が少ない車両だが、乗り心地は全く違う」と同社幹部は説明する。


車両の外観は、日本で地下鉄が初めて営業運転を開始した1927年当時のデザインをレトロ調に再現したものだが、中身は「最新鋭の技術が搭載された」という自慢の車両だ。

今回の1000系で、電気消費量を削減する省エネ技術として初めて採用されたものが「操舵(そうだ)台車」。
自動車で言えば、足元のタイヤ部分だ。
電車の車輪が固定された従来型の通常台車に比べ、1000系の台車には操舵装置が付いたことで、カーブを曲がる際にスムーズに走行できる仕組みとなった。
車輪に伝わる抵抗力が少なくなるため、エネルギー消費の低減にもつながる。
カーブ通過時の「キーン」といった騒音や振動も低減されるため、従来の車両に比べ「乗り心地が格段に向上した」(同社)という。

さらに、鉄道として日本初の技術採用となったのが、先頭車両の前頭部分にある「前照灯」。
電車の主灯としてLED(発光ダイオード)を使う。客室にも本格的にLED照明を採用し、車両内は従来以上の明るさを保ちつつ、消費電力を約4割削減できる。
「浅草」「渋谷」という行き先の表示器にも、従来の幕式で はなく、LEDによる表示方式で標準化。
同社は「蛍光灯に比べ長寿命。
維持やメンテナンスも楽になる」とLEDを採用した理由を付け加える。

このほか、2010年に登場した千代田線の「16000系」以降、同社の新型車両に採用されている省エネ技術が、車両を動かすための動力となる主電動機の永久磁石同期モーター(PMSM)だ。
永久磁石を部品として使うことで、電気を流す必要がなく、エネルギーを伝えられることから、省エネにつながる。
実際、2007年以降にメーカーと共同実験を重ねた結果、「従来比で消費電力量が2割削減できる効果を確認できた」(同社車両部設計課)として本格導入を決めたという。
もちろん、この技術も銀座線「1000系」にも搭載されている。

地下鉄は線路の構造上、地下のトンネルを走る区間が多いことから、地上を走る電車に比べ、車両が走行した際に生じた熱が線路などにたまりやすい。
東京メトロは、電気消費量の削減といった「省エネ」を意識した車両の開発の歴史を積み重ねてきたという。
例えば、車両の材質の歴史だ。
1927年の営業開始時点での車両は「トンネル内を走る車両のため、当時主流の木製とは違い、防火対策の意味合い」(同社)から鉄(スチール)製が採用された。

ただ、鉄は重たい。
車両は軽ければ軽いほど、消費電力量の削減などの省エネにつながるため、1971年に千代田線に導入した「6000系」からはアルミニウム製車両を採用。
その後は、さらに一歩進んだ形で車体全てがリサイクル可能なアルミ製車両の導入も進めており、今や同社が運行する全2707両(2011年3月現在)のうち、「省エネ」車両は2698両と全体の99.7%にのぼる。
同社は今後もさらに環境に配慮した車両づくりを追求していく構えだ。
【西川博明】

産経新聞より

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2012年10月05日

「じゅんかんコンビニ」

札幌・太平に9月15日、24時間資源物回収場「じゅんかんコンビニ24」(札幌市北区)がオープンした。

運営は、リサイクル業、製品・廃棄物処理などを手掛けるマテック(帯広市)。

同社が2010年より運営するリサイクル・廃品回収サービス店「じゅんかんコンビニ」(白石区)を基盤とし、新たに開業した同店。古新聞・古雑 誌、アルミ缶・スチール缶、小型家電、パソコン、携帯電話、金属製品などを回収し、利用者には商品と交換できるポイントを付与する。


同店では新たに、受付専用端末を設け、常駐していた店員を無人化し、24時間利用できるようにした。

利用する際は端末にカードをかざして受付。
初めての利用の場合は受付機でカードを発行する。
端末の指示に従い「新聞・雑誌」「ダンボール」「金属・小型 家電」「アルミ缶・ペットボトル」などに区別されたボックスにリサイクル対象資源物を入れる。
資源物の量や種類によって相応のポイント「リサイクル貢献度」が付与され、500ポイントためてアンケートに答えると商品券やクオカードなどが進呈される。
今月31日までポイント2倍のキャンペーンも実施。

同社の柄澤さんは「好きな時間帯に来られること、処理の面倒な金属類や費用が発生する資源物を手軽に無料で片付けできることが重宝がられている。
まずは1度利用してリサイクルにご協力いただければ」と話す。

札幌経済新聞より

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2012年10月04日

先進的科学技術体験合宿

科学技術振興機構と日本科学技術振興財団は、高校生のための先進的科学技術体験合宿プログラム「ウインター・サイエンスキャンプ」の参加者を募集している。

サイエンスキャンプは、夏期休業・冬期休業・春期休業の期間中、高等学校、中等教育学校後期課程、高等専門学校(1~3学年)等に在籍する生徒が、最先端の科学技術を直接体験して学び合う科学技術体験合宿プログラム。

次代を担う青少年が、先進的な研究施設や実験装置がある研究現場で実体験し、第一線で活躍する研究者、技術者等から直接講義や実習指導を受けることにより、科学技術に対する興味・関心を高め、学習意欲の向上を図り、創造性、知的探究心、理数の才能等を育てることを目的としている。

山形大学有機エレクトロニクス研究センターによる「有機の光で照らしてみよう・有機ELを作る」、東北大学大学院工学研究科創造工学センターによる「レアメタルのリサイクル・携帯電話から金をとりだしてみよう」など、9会場でのサイエンスキャンプが予定されている。

また、より深く学びたいという意欲の高い人を対象とした、3泊4日の深化型プログラム「サイエンスキャンプDX」も実施しており、今冬は2大学が、それぞれ20名、24名の規模で工夫を凝らしたプログラムを提供する。

応募は、サイエンスキャンプ本部事務局のホームページからダウンロードした参加申込書に必要事項を記入して郵送。
サイエンスキャンプDXについては、参加申込書に加えて追加資料の提出が必要な場合がある。

RBB TODAYより

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2012年10月02日

水車回しエコ照明

宮城県川崎町のNPOなどが水車を手作りし、町内で小水力発電に取り組む計画を進めている。

9月に水車が完成し、同町内でお披露目式が開かれた。

プロジェクトに携わるメンバーたちは、川崎の豊かな水源を活用したクリーンエネルギーを普及させようと夢を膨らませている。

水車づくりをしたのは、同町のNPO「川崎町の資源をいかす会」と仙台市の環境団体「みやぎ・環境とくらし・ネットワーク」(MELON)。

「いかす会」の桜台清志さん(61)やMELONのボランティアらが6月から、町内の製材所から仕入れた杉材から水車のパーツを切り出し、組み立て作業を進めてきた。
9月23日に最終的な調整作業を行い、直径2メートル40センチ、幅60センチの水車が完成した。

水車は同町前川の国保川崎病院近くに流れる農業用水路「蟹沢用水路」に設置する方針。
水車の回転エネルギーを発電機に経由させ、夜間照明の電源とする計画で、できるだけ早く設置・稼働したい考えだが、課題もある。

町によると、用水路の水利権を目的外に使う場合、周辺環境に与える影響などを調査し、国の許可を得る必要がある。
町企画財政課は「町としても計画をバックアップしているが、相応の時間と経費がかかりそうだ」と話す。

いかす会の菊地重雄理事長(71)は「子どもたちに水車が回ることで発電し、電気がつくことを知ってもらいたい。
今回の取り組みを小水力発電を普及させていくための実験台としたい」と話している。

河北新報より

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2012年10月01日

東北祭りでCO2相殺

イベントや会議などの開催に伴い排出される二酸化炭素(CO2)を、他のCO2削減努力で生まれた排出枠で相殺する―。

そんな仕組みの「カーボン・オフセット」が地域や企業の間で広がり始めた。

東北祭りのオフセットを通年で行う計画が立ち上がる一方、リコーリースがオフセット型株主総会の拡充に乗り出した。


東北祭りのオフセットは、東北経済産業局の委託を受けて環境コンサルティング会社の東北緑化環境保全(仙台市青葉区)が行う企画。
同社は、東北6県の商工会議所が結成した「東北まつりネットワーク」と連携して、昨年夏に具体化させた。

その第1弾企画に参加した6県の夏祭りは、「青森ねぶた祭り」「盛岡さんさ踊り」「仙台七夕まつり」などの11団体。
その開催に伴い発生した29トンのCO2を、地元中小企業9社のCO2削減努力で創出された排出枠で帳消しにした。

そこで着目した環境負荷の1つが、豪華な装飾が施された祭りの出し物「山車(だし)」内の照明用発電機で使う燃料の消費量だ。
さらに、イルミネーションや提灯での電力使用に伴うCO2なども対象にした。

今夏の第2弾では祭りの参加数が21団体に倍増した。
CO2発生量は算定中だが、約40トンを想定している。

この実績を土台に、夏限定のオフセットを通年企画に発展。
仙台市繁華街のイルミネーションを灯す今冬のイベントがオフセットに参加予定だ。
さらに旅行会社と連携し、ツアー客の移動に伴うCO2相殺も同時に行う構想も温めている。

会議型オフセットで先行するのがリコーリース。
同社は、約400人の株主が来場した昨年6月の定時株主総会にオフセットを組み込んだ。
総会の開催に伴い排出された6,305キログラムのCO2を排出量取引によって埋め合わせた。
今年の総会では1万3,442キロの排出量を相殺した。
CO2の測定範囲は、「株 主・主催者の移動」や「会場で使う電力・水道」から「招集通知書などの紙の使用」までと幅広い。

課題は主催者側の環境負荷にさらに踏み込み、送付物の印刷時のCO2まで把握すること。
これらをクリアし来年以降には「CO2全量を相殺し総会をカーボン・ニュートラル(炭素中立)に発展させたい」(環境・社会貢献推進室)という。

オフセットは、温室効果ガスの削減だけでなく、削減地域の産業新興や雇用創出につながる効果も期待されている。

東北緑化環境保全の申谷(さるや)雄太・技術企画グループマネージャーは「東北地方の観光資源とオフセットを結びつけ、東北の環境ブランドを全国に発信し認知させたい」と強調。
さらに「東日本大震災の影響で停滞気味の東北経済を力づけたかった」とも打ち明ける。

リコーリースは、企業活動全域をカバーする温室効果ガス算定の国際基準「スコープ3」の行方をにらみ、オフセットを通じて、環境経営の経験を蓄積したいとの思惑も持つ。

環境省の調査によれば、国内のカーボン・オフセット事例件数を会議・イベント型でみると7月時点で累計が230件超(推定)に達した。
会議・イベント型カーボン・ニュートラルを認証し普及を促す政府の動きも進む方向にあり、コンサートやスポーツ大会など多彩な舞台を対象にしたオフセットが誕生しそうだ。
とはいえ、国民的な認知度は低いのが実情だ。

ただ、海外環境協力センターの佐々木和嘉主席研究員は「総発電に占める原子力発電の比率が下がると、再生可能エネルギーが普及しない限り温室効果ガスが増え、より一層の温暖化対策が迫られる」と指摘。
その上で「消費者への環境面の宣伝効果が高い会議・イベント型オフセットなどのニーズは今後高まるだろう」と分析している。
【臼井慎太郎】

SankeiBizより

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