被災地の畳を炭化し再資源

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熊本地震の被災地で廃棄される畳を、炭化して再資源化する実証実験が、熊本県益城町で行われた。

 

被災家屋から出るごみの処分は、復旧・復興の大きな障害となるが、中でも畳は運搬に労力が必要で、切断が必要となるなど処分が難しい。

 

資源を循環させる試みに、海外の事業家も注目している。

 

 

 

北九州市若松区にある炭化装置の製造・販売「SUMIDA(スミダ)」が実証実験に取り組んだ。

 

同社が開発したコンテナ型の炭化設備は、畳や間伐材、竹、食材ごみなどを炭化し、燃料や土壌改良材、消臭材などに生まれ変わらせる。

大気汚染の原因となる煤塵(ばいじん)が発生しにくいように、無酸素状態で400~600度の熱を加え、熱分解する。

 

実験は県や益城町の了承を得て、7月19日から行われた。

畳約30枚を、10センチ四方に切断し、5~6時間かけて炭にした。

コンテナとして車両に積んでいるので、ごみや木材の集積地に出向いて、処理することもできる。

 

同社は、実験で得たデータを行政に提供し、被災地の課題解決の一つの手段として提案する。

家屋の解体業者との連携で、資源循環につながる新しいビジネスの創出を目指している。

 

取締役の橋田紘一氏は「資源が少ない日本では、ごみを燃やして捨てるのではなく、新たなエネルギーとして活用することが必要だ」と述べた。蒲島郁夫知事にも面会し、ごみ処理の課題解決に向けて意見交換したという。

 

熊本県によると、県内の被災地では、6月末までに872トンの畳が焼却などによって処理された。

未処分の畳は、各自治体が設けた一時仮置き場に置かれたままの状態という。

 

県の担当者は「畳は雨がしみこむとさらに重くなり、運ぶのが大変になる。全半壊した家屋の多さを考えると、畳の処理は大きな課題だ」と語った。

 

益城町での実証実験には、インド南部のバンガロールから、エネルギー事業の関係者も視察に訪れた。

 

行政のアドバイザーを務めるというチャンドラ・サーティッシュさん(63)は「街がITの集積地として発展するに伴い、生活ごみの処分が課題になっている。ごみを再利用できる日本企業の技術に関心を持っている」と語った。

 

 

 

産経新聞より

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