食品廃棄物でバイオガス発電

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東海地区で最大規模のバイオガス発電所が静岡県・牧之原市にある「白井工業団地」で2月21日に運転を開始した。

 

お茶の栽培と漁業が盛んな牧之原市を中心に、県内の食品工場などから排出する廃棄物(食品残さ)をバイオガスの原料に利用する発電プロジェクトだ。

 

「牧之原バイオガス発電所」には食品廃棄物を発酵させる巨大なタンクのほか、発酵に必要な消化液の貯蔵タンク、廃棄物の前処理施設や排水処理設備を備えている。

廃棄物の保管からメタン発酵によるバイオガスの精製、発電までを一貫処理する体制を構築した。

 

 

 

発電能力は650kW(キロワット)である。

1日24時間の稼働によって年間に340万kWh(キロワット時)の電力を供給できる。

一般家庭の使用量(年間3,600kWh)に換算して940世帯分に相当する。

牧之原市の総世帯数(1万6,400世帯)の6%にあたる。

 

発電した電力は固定価格買取制度を通じて売電する。

メタン発酵によるバイオガス発電の買取価格は1kWhあたり39円と高い。

年間の売電収入は1億3,260万円になり、買取期間の20年間の累計では26.5億円にのぼる。

 

一方で建設のための総事業費は20.5億円かかった。

これまで食品廃棄物の処理に必要だったコストとバイオガス発電事業の運営費を比較して採算がとれる想定だ。

1日に処理する食品廃棄物の量は約80トンを予定している。

 

 

 

この発電事業を企画したアーキアエナジーは「新たな食品リサイクル・ループ」のモデルケースとして、牧之原バイオガス発電所の建設を推進した。

グループ会社のゲネシスが食品関連事業者から残さを収集して発電所を運営する。

さらに副産物の飼料・肥料を農家に供給して食品の生産・販売につなげる取り組みだ。

 

プロジェクトを推進するにあたって、建設に必要な資金の調達、工事や完成後の運営も地元の企業に委託する方針を貫いた。

資金は静岡銀行をはじめとする民間の金融機関からプロジェクトファイナンス方式で調達して、国や県から補助金は受けない。

工事は県内の建設会社に発注し、発電所を運営するゲネシスは牧之原市に本社を置いている。

 

発電事業にかかわる業務を可能な限り地産地消スタイルで実施することによって、再生可能エネルギーを通じた地方創生のモデルを構築することが狙いだ。

アーキアエナジーは牧之原市のプロジェクトに続いて、東京都内にバイオガス発電所の建設を計画している。

さらに関西地区と東海地区で1カ所ずつ、北関東地区では3カ所に展開して、2020年までに合計7カ所へ拡大させる。

 

全国では都市部を中心に年間に約2,000万トンにのぼる食品廃棄物が発生している。

その多くは飼料や肥料として再利用できるが、農業や畜産業の縮小によって消費量は減少傾向にある。

新たにバイオガス発電の原料に生かして再利用率を高めることが可能になる。

 

牧之原市を例にとると、市内で発生するバイオマス資源のうち、最も多いのは浄化槽の汚泥で、2番目が家畜ふん尿、3番目が食品廃棄物(産廃系生ごみ)である。

食品廃棄物の84%は再利用しているが、残る廃棄物を周辺地域の排出分と合わせて再生可能エネルギーの電力に転換できる。

 

 

 

スマートジャパンより

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