アルミ缶、コーヒーに熱い視線

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アルミニウム缶の国内需要が伸びている。

 

アルミ缶リサイクル協会(東京・中央)によると2016年の飲料用アルミ缶の出荷量は255億缶と過去最高を見込む。

 

背景にあるのはコーヒー缶への使用拡大だ。

 

 

 

かつて缶コーヒーといえばスチール缶が定番だった。

中のミルク入りコーヒーに菌が繁殖した場合、缶の膨らみで分かる。

アルミ缶飲料は強度を高める目的で内部にガスを入れるので、膨らみの判別が難しい。

業界の自主規制でコーヒーには使っていなかったが、鮮度保持技術の向上もあり、日本コカ・コーラが2014年夏に「ジョージア」を軽くて輸送コストの低いアルミ缶に転換。

他社も追随した。

 

蓋付きアルミボトル缶の普及も大きい。

コーヒーブームの影響で、缶コーヒーも豆や香りにこだわる高級路線の商品が増えている。

飲み口の大きなボトル缶は空けた時の香り立ちが良い。

一度に飲みきる必要がないので持ち歩きにも向いている。

高級路線の商品への導入が進み、需要が拡大した。

 

缶メーカーの間でもボトル缶への注目度は増している。

生産設備を増強する動きが相次ぐほか、東洋製缶が2016年末に新規参入すると発表した。

人口の減少や若年層のアルコール離れで、アルミ缶の主力であるビール缶の市場は縮小している。

業界内外のホットな視線がコーヒー缶に注がれている。

 

 

 

日経産業新聞より

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国産最軽量のアルミ缶

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ビールや清涼飲料の包装容器の開発を行うキリンのパッケージング技術研究所(横浜市鶴見区)は22日、環境に配慮した開発の一環として、資材メーカーのユニバーサル製缶と共同で国産最軽量となるアルミ缶を開発したと発表した。

 

350ミリリットル缶で約5%、500ミリリットル缶で約7%の軽量化を実現。

今月下旬から順次、市場への展開を始める。

 

 

 

キリンビール横浜工場・テクノビレッジ内にある同研究所ではこれまで、炭酸飲料などで使用するガラス瓶や2リットルペットボトル、段ボールなどの容器の軽量化に取り組んできた。

アルミ缶については、7年ほど前から基礎研究に着手。

 

350ミリリットル缶では14.6グラムから13.8グラムへ、500ミリリットル缶も18.1グラムから16.8グラムへ軽量化した。

缶の厚みを薄くしつつ、ふたには折り目をつけるなどして強度を維持。

缶全体の厚みも均一となるよう加工温度などを工夫したという。

 

軽量化したアルミ缶を使用した商品はキリンビール神戸工場から導入を開始し、今月下旬からビールや発泡酒などで市場へ展開。

同研究所によると、今回の技術を最大限導入した場合、製造過程での二酸化炭素排出量が年間約2万9,600トン削減できるという。

 

永嶋一史所長は、市場環境が激化する中、必要な包装機能の確保やブランド価値の最大化など技術的なハードルが高くなっているとして、「包装産業界のパートナーと協力し、お客さまの期待に応えていきたい」と話した。

 

 

 

神奈川新聞より

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下水汚泥の乾燥システム

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関西電力が下水処理場の運営コスト低減に挑んでいる。

 

処理工程で出る汚泥を乾燥できる省エネルギー型システムを乾燥装置製造の大川原製作所(静岡県吉田町)と共同で開発。

 

このほど神奈川県秦野市と実証実験に乗り出した。

処理コスト高に悩む中小規模の下水処理場の需要開拓を目指す。

 

 

 

神奈川県秦野市の下水処理場「秦野市浄水管理センター」。

下水汚泥を乾燥して量を減らす新システムの実証事業が7月から進められている。

 

「効率よく汚泥を乾燥できるようになる」。

関電のエネルギー利用技術研究室、菅野啓治主任研究員は自信を見せる。

 

特徴は、産業用の汚泥乾燥システムで初めて、熱エネルギーを有効に使える「ヒートポンプ」の技術を採用したことだ。

 

新システムは、乾燥整備や圧縮機、熱交換器などで構成されている。

乾燥設備から出た蒸気の熱を再利用するなどし、セ氏160度の高圧蒸気を循環させて乾燥する。

 

蒸気を循環させる機器には、圧縮機だけでなく送風機を組み合わせることで、効率を高めた。

臭気を含んだ排気を抑えられる構造になっているのも利点だ。

環境負荷も低減でき、二酸化炭素の排出量は約4割減らせるという。

 

関電が新システムで狙うのは、1日の排水処理量が5千~5万立方メートルの中小規模の下水処理場だ。

全国に2万2,000カ所ある下水処理場の約4分の1を占める。

 

通常、下水処理場では、汚泥を乾燥させ、産業廃棄物として処理する。

 

秦野市浄水管理センターの排水処理量は1日4万7千立方メートル。

処理する汚泥は年間9,600トンにものぼる。

大規模な下水処理場は施設内に焼却炉を持つことが多いが、中小規模の下水処理場の多くは産業廃棄物処理業者に委託している。

秦野市も処理業者を通じて廃棄しており、年2億円程度のコストが悩みのたねとなっていた。

 

新システムを使えば、汚泥に7割程度含まれている水分を2割程度まで乾燥し、軽くできる。

産廃として処理する場合、委託費は重量に基づくため、軽くなればなるほどコストが抑えらる。

 

同センターにはこれまで乾燥設備が導入されていなかったため、新システム導入で電気代などエネルギーコストは上がる。

ただ、産廃処理のための費用低減を考慮すると、トータルでの運営コストは従来の3分の2程度に抑えられるという。

 

設備は来年2月初旬ごろまでに工事を終えて稼働し、2017年度中に効果を確認する。

実証事業には最大で5億円を投じ、汚泥を肥料として再利用する研究も進める。

 

実証実験は大川原製作所が持ちかけた。

秦野市側は、コスト高を解消したい思いはありながらも、初めての乾燥設備の導入に「新技術をきちんと運用できるのか」(上下水道局下水道施設課)と当初は慎重姿勢だった。

 

だが、下水事業は公共事業のなかでも費用負担が大きい分野だ。

最終的には「長期的に下水道料金の値下げにつなげられるかもしれない」(同)と判断し、応じた。

 

関電は2011年から大川原製作所とシステム開発で協力している。

もともと下水処理施設向けを想定したわけではなく、乾燥技術の一環として共同開発を始めた。

菅野氏は「ミカンジュースの工場で絞りかすのような廃棄液を乾燥させることもできるはず」と述べ、新たな用途にも期待している。

【西岡杏】

 

 

 

日経産業新聞より

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石灰石原料の名刺

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素材開発ベンチャーのTBM(東京・千代田)は、石灰石(炭酸カルシウム)と樹脂を混ぜ合わせた新素材を原料にした紙製品を販売する。

 

第1弾として名刺の販売を始めた。

1箱100枚入りから販売し、年内に30万箱の売り上げを目指す。

 

インクジェット用紙やポスターの製品化も検討する。

 

 

 

石灰石を原料にした紙は、石紙(ストーンペーパー)と呼ばれる。

パルプを原料にした紙に比べると、樹木や水を使わず、環境にやさしい。

水にぬれてもインクがにじみにくく、紙のように指を切ることも少ない。

ただ通常の紙と比べて、3割ほど重いことが技術的な課題だった。

 

内部に気泡を取り入れる特殊な製法でストーンペーパーを製造し、紙に含まれる石灰石の量を減らすことで、通常の紙と同等の重さを実現している。

 

すでに約150の企業や法人に採用されたという。

このほど名刺をオーダーできるウェブサイトを開設し、個人向けにも販売できる体制を整えた。

100枚で税抜き1,250円から。

 

パルプを原料とする紙を1トン製造するには、約20本の木と100トンの水を使用する。

ストーンペーパーは石灰石とポリオレフィン樹脂を原料とし、木材と水を一切使用しないため、環境負荷を低減できる。

 

TBMは石灰石と樹脂を混ぜ合わせた新素材を製造販売する。

日本製紙で専務取締役を務めた角裕一郎氏が会長を務めている。

 

 

 

日経産業新聞より

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屋上緑化用の苗木供給事業

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静岡県裾野市が、民間事業者と連携し首都圏のビルなどに屋上緑化用苗木を供給する事業を本格的にスタートさせた。

 

4月中旬に生産者による「裾野市環境緑花事業協同組合」が発足し、市が整備した実証園地も稼働した。

 

少量の用土で樹木を育てる薄層軽量化技術を検証し、休耕地再生につなげる「裾野オリジナル」の事業確立を目指す。

 

 

 

組合のメンバーは同市の認定農業者6人。

市が希望者を募り、苗木、茶、稲作など多彩な分野のエキスパートがそろった。

園芸作物を手掛ける手綱史芳理事長(52)は「40代以下が3人。それぞれに得意な領域があるので新しい発想が生まれやすい」と期待する。

事業は、市内にある186ヘクタール(昨年2月現在)の耕作放棄地の有効活用につなげる狙いもある。

 

同市須山の実証園地は標高485メートルの地点で敷地面積約3千平方メートル。

3メートル四方のコンクリート製の植栽スペースを20カ所用意し、敷地内に気温・風速計、実験用の土作りに用いる用土混合機を備えた。

 

南向きの高台で、冬場を中心に風が強く吹き付ける。市農林振興課の杉山和利課長は「生育環境が厳しいところなら、条件を選ばない苗木を作れる」と意図を説明する。

 

ポイントは屋上緑化を導入した建物への負荷軽減。

用土の量をどれだけ減らせるかが問われる。

実証園地では厚さ約10センチの用土で高さ2メートルの樹木を育てられるようにするのが目標という。

現在はナンテン、ヒメシャラ、ウバメガシなど約10種を植える。

配合を変えたさまざまな用土と品種の組み合わせを試し、保湿と排水の状況、根の張り方を調べる。

 

市は、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年を見据え、2018年3月までに苗木と用土を組み合わせた製品の完成を目指す。

手綱理事長は、「都市の高層空間に安らぎの場所を提供したい」と将来像を語った。

 

 

 

静岡新聞より

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難所の作業、ロボにお任せ

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ガス管や橋脚などインフラの保守点検は難しい。

危険な場所にあったり、見えづらい構造になっていたりすることが多いからだ。

 

サーフ・エンジニアリング(神奈川県綾瀬市)は難所でも簡単に点検できるロボットを開発し、注目を集めている。

 

全国的にインフラの老朽化できめ細やかな点検の重要性は増している。

根本秀幸社長は「100年先の安心安全を担保する事業を進めたい」と話す。

 

 

 

2月下旬、綾瀬大橋(綾瀬市)の下で、ロボット「橋脚用のぼるくん」の実証実験が行われた。

特殊なタイヤがつけられた幅6メートル、奥行き3メートルの機械が高さ11メートルの橋脚を囲み、ゆっくりと昇っていく。

カメラが付いており、傷やひび割れを地上で確認できる。

200キログラムのおもりを付けたり橋脚を水でぬらしたりして、人や機械を乗せても重さに耐えられるか、雨天でも使えるかなどを確かめた。

 

同社は2004年創業で機械加工などを手掛ける。

注目されるきっかけはガス管点検用ロボット「のぼるくん」の開発だ。

標準で直径1メートル、重さ40キログラムほど。

特殊なタイヤが付いた円形のロボットがガス管を囲んで、はうように進み、取り付けられたカメラで傷の有無などを確認する。

 

ガス管は足場が組めない場所にあることが多く、高所など点検できない箇所がある。

パイプラインの保全を手掛ける企業に「全てのガス管を点検したい。いい方法はないか」と相談され2013年に開発。

東日本大震災でガス復旧工事に携わって以来、「保守点検にしっかり取り組み、減災につなげる重要性を強く感じていた」(根本社長)ため、ロボットの開発を引き受けた。

 

目指したのはガス管を傷付けず、軽くて安価、壊れにくく組み立てやすい構造だ。

思い浮かんだのが車のタイヤ。

すべりにくく段差や坂を上れる。

点検の難所であるカーブも内輪と外輪の空気圧に差をつけることでスムーズに進める。

足場を組んだ場合、準備、検査、解体まで3日かかっていたが、ロボットなら3時間で済み、コストも10分の1に抑えられる。

 

2014年は県内のガス輸送パイプライン約2キロメートルの点検に使われ、ベンチャー・中小企業のビジネスプランを表彰する「かながわビジネスオーディション2015」の最高賞を受賞した。

建設や原子力発電所関連などから問い合わせも相次ぐ。

「人を乗せても安全な構造に」

「高所のペイントを塗り直す作業に応用できないか」

など要望も様々だ。

 

世界的にも老朽化するインフラを点検する需要が高まっている。

国によると、関連するロボットの市場規模は世界全体で50億円、2030年には2兆円に増える見通しで、注目度が一層高まりそうだ。

 

 

 

日本経済新聞より

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金属を多孔質で軽量に

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同じ成分で重さが数%の超軽量材料が自動車や航空宇宙用として出番を待っている。

 

軽いのは動物の骨に似て内部に無数の微小な穴が開いているからだ。

 

軽さ以外に、曲げや衝撃に耐える力が高い。

さらに異種材料の接合など新しい用途も見えてきた。

名古屋大学や米ボーイングは実用化に向けて開発を進めている。

 

 

 

「接着剤なしで金属と樹脂を接合できるようになる」と名大の小橋真教授は2015年に開発した技術に期待する。

 

厚さ2ミリメートルのアルミニウムの板の中に直径約300マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの穴を多数作った。

しかも穴が占める割合が板の表から裏に向けて90%から60%と徐々に減る。

アルミの粉末と塩を混ぜ、独自の加熱方法でアルミ粉末を溶かした。

冷却後に水に浸すと塩が流れ落ちて穴が残る。

 

アルミ板とプラスチック板を貼り合わせる場合、プラスチック側の気孔率を高くする。

アルミを加熱し、表面で溶けたプラスチックを穴の中に染み込ませれば、2枚の板は剥がれなくなる。

接着もリベットもいらない。

 

今年に入り、さらに新しい穴の開け方も開発した。

アルミ・チタン合金の中に直径数百マイクロメートルの大きな穴、その周囲を覆うように数マイクロメートルの小さな穴を数多く作ることに成功した。

アルミ粉末、チタン粉末、塩を混合して加熱し、冷却後に水浸した。

塩があった部分が大きな穴、もともと原料粉末の表面や内部にあった気体が小さな穴として残った。

 

小さな穴を通じて大きな穴に液状の蓄熱剤を出し入れする使い方を検討している。

自動車エンジンは運転中に高温になるため、冷却水を外側に循環させる。

一方、外気温が低い時にはエンジンの始動が遅い。

高温の蓄熱剤を蓄えた多孔質金属を設けておき、エンジン始動時だけ蓄熱剤を冷却水に混ぜて循環させるというアイデアを持つ。

 

小橋教授らは何種類もの技術を使い分けて多孔質金属を開発している。

穴の形を変えたり向きをそろえたりすることも徐々にできるようになってきた。

 

現在、コンピューターシュミレーション(模擬実験)の専門家である広島大学の竹沢晃弘准教授と組み、用途によって最適な多孔質構造の材料設計を進めている。

さらに企業に委託して3Dプリンターでアルミ、鉄、チタンなどの多孔質体を試作し、機械特性などを評価している。

 

圧倒的な軽さに挑戦する研究もある。

2015年10月、ボーイングが自社ホームページで紹介した超軽量金属が注目されている。

体積の99.99%が空気で、発泡スチロールより軽いニッケルだ。

言い換えるとニッケルは0.01%しかない。

ボーイングとゼネラル・モーターズ(GM)が出資する研究開発会社のHRLラボラトリーズ(カリフォルニア州)などが開発した。

 

紫外線硬化樹脂の上に穴の開いたマスクを載せる。

向きを操作できる4つの光源からマスクを通して紫外線を当て、樹脂を網目状に硬化させる。

網の表面に電気メッキでニッケルを付ける。

化学処理で樹脂を取り除くと、空洞のある細いニッケルの網になる。

 

ボーイングはニッケル以外に他の金属やセラミックでも超軽量材料の開発を進めている。

昨年10月には米航空宇宙局(NASA)のもとで、火星以遠に送る宇宙船用に開発を始めることも明らかにした。

 

米政府からの助成を受けていることもあり、今のところ海外との共同研究には慎重だ。

ただし開発メンバーのソフィア・ヤン研究員は「日本企業の高い生産技術は定評だ。実用化に向けて手を組むこともあるだろう」と言う。

【黒川卓】

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ビール中瓶を大幅軽量化

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キリンビールは、これまでより2割軽量化したビール用中瓶(500ミリリットル)を開発し、昨年11月から今後10年かけて既存の中瓶から新型中瓶に切り替えていく。

 

製造と物流の両工程を合わせて、年間930トンの二酸化炭素(CO2)排出量の削減が可能となり、軽量化による環境負荷軽減の取り組みを進めていく。

 

 

 

キリンは、包装容器の開発を専門に担当する「パッケージング技術研究所」で瓶類の軽量化なども進めてきた。

何度も洗って再利用するリターナブル瓶であるビール瓶について、大瓶は1993年に新技術を導入し2003年に全量軽量化を実現。

小瓶も1999年に全量軽量化しており、中瓶が最後の取り組みだった。

 

今回の軽量化では、瓶表面にセラミックスコーティングを施し、傷に強くさせることで、瓶の肉厚を薄くしても利用できるようにした。

この技術は日本山村硝子と共同で開発、厚さがわずか0.1マイクロ(1マイクロは100万分の1)メートルのセラミックスコーティングを、コーティング時の温度制御などで安定的に施すことができる。

 

同研究所の松島康之所長は「回収した瓶は熱アルカリ洗浄をするが、その際にコーティングがはがれることが多く、それが強度低下につながる」と説明する。

瓶は傷が入らなければ強いが、逆に「1カ所でも入れば、それが破損の大きな要因になる」中、均一な厚さでのコーティングが破損防止につながる。

 

また、コーティングされた瓶は滑りがよく、それが傷つきにくさにもつながっている。

特に充填(じゅうてん)工程でその効力が発揮される。

「かつては高速での充填というのはなかったが、今では1分間に800本、1秒間に十数本の高速充填を瓶でも行う」(松島氏)。

この工程で瓶同士が激しくぶつかることもある。

だが、セラミックスコーティングによる滑りのよさで、瓶に傷ができる可能性は大きく低減しているという。

 

単に瓶を軽量化しただけではない。

「軽量化によって、工場のライン工程ではハンドリングの難しさも出てくる」(同)からだ。

というのも軽ければ、それだけ高速で動くライン上では揺れやすくなる。

 

 

 

そこで取り組んだのが揺れにも強い瓶の設計。

瓶の胴径は1.5ミリスリム化。

裾部は半径を小さくしたが、その周辺は肉厚を確保した形状にした。

「これによって工場のラインで高速移動させても倒れにくい構造になっている」(同)という。

これらの改良で、中瓶はこれまでの470グラムから90グラム少ない380グラムに軽量化することができた。

 

実は、リターナブルのビール瓶では、瓶を共通使用しているアサヒビール、サントリービール、サッポロビールの3社も昨年7月に中瓶の軽量化を実施した。

これに遅れての技術発表になったが、松島氏は「3社は中瓶で10グラムの軽量化。キリンの技術を使えば、まだまだ軽量化できると信じていたし、事実、90グラムの軽量化を実現した」と自信をみせる。

 

環境負荷の低減を目指して進めてきた中瓶の軽量化だが、別のメリットも出ている。

1本当たり90グラムの軽量化だが、業務用で使う20本入りのケースで考えると約1.8キロに達する。

流通や飲食店などでは人手不足が問題視され、女性や高齢者の活用も拡大しているが、こうした人たちにとって、軽量化は「作業負荷の軽減にもつながることが期待されている」と松島氏は強調、人にも優しい軽量化となった。

【平尾孝】

 

 

 

SankeiBizより

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ビール瓶、軽ければエコ

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ビール・飲料メーカーが、瓶やペットボトルなど容器の軽量化を進めている。

 

キリンビールは11月から従来より約2割軽いビール瓶を投入。

 

共通の瓶を使っている他のビール大手3社も10月に軽量瓶を導入した。

 

材料の削減で、瓶を製造する際の二酸化炭素(CO2)排出量を減らせるほか、配送時の燃費改善によるコスト削減も見込めるという。
キリンは、従来より約90グラム軽い380グラムの中瓶(500ミリリットル)を九州で先行導入。

2024年までに約4,500万本すべてを新しい瓶に更新する計画だ。

 

瓶のガラスの厚みを0.8ミリ薄くして3.2ミリにし、表面には衝撃に強いセラミックスをコーティングして強度を維持。

原料のガラス使用量を約2割削減できるほか、配送時などの燃料が抑えられ、今後10年間で数億円のコスト削減が見込めるという。

1ケース(20本)当たり1.8キログラム軽くなるため、 小売店の作業負担も軽くなる。

 

キリンパッケージング研究所の松島康之所長は「容器の軽量化でCO2の削減につながる」と意義を強調。

年1,000万本切り替わった場合、CO2排出量を製造・物流工程合わせて従来の2割に当たる930トン削減できると試算する。

 

瓶を共通化しているアサヒ、サントリー、サッポロのビール大手3社も10月から、中瓶を約10グラム軽量化して460グラムにした。

ラベルが貼られている胴部分の瓶の太さを0.2~0.3ミリへこませ、輸送時などに瓶同士がぶつかって傷が付かないように工夫した。

こちらもCO2の排出量を年約175トン削減できるとしている。

 

ペットボトル容器でも、サントリー食品インターナショナルが2013年に「天然水」用の2リットルと550ミリリットルの重さを従来より16~18%軽量化した。

明治も12月から愛知県内の新工場稼働に合わせ、ヨーグルト「R-1」のドリンクタイプの容器(112ミリリットル)を2割軽量化し、中部地区で販売する。

 

ビール瓶、軽ければエコCO2削減は産業界共通の課題だが、ビール業界は工場でエネルギーを再利用する装置を導入するなど大規模な設備投資を実施済み。

2010年には20年前に比べ排出量を半減させており、「これ以上の大幅な削減は現実的ではない」(ビール酒造組合)のが現状だ。

このため0.1ミリ単位で瓶の厚みを薄くしたり、 メーカーの枠を超えた共同配送を進めたりするなど小さな工夫を積み重ねている。

【神崎修一】

 

 

 

毎日新聞より

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生かせ民間の技

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種子島宇宙センター(鹿児島県)から30日、H2Aロケットで打ち上げられる小惑星探査機「はやぶさ2」。

 

生命誕生の謎に迫る世界も注目する探査機の開発に、町工場など民間のものづくりの力が生きている。

 

 

 

はやぶさ2は、生命の起源となった可能性のある有機物や水が存在する小惑星「1999JU3」に着陸し、物質を採取する。

着陸するには、まず「ターゲットマーカー」と呼ばれるボールを小惑星へ投下。

これを探査機本体からフラッシュランプで照らし、反射光を目印に降下する。

 

初号機でも採用された技術で、このランプを開発しているのが、1917年創業の「ミヤタエレバム」(神奈川県海老名市、従業員40人)だ。

同社は、カメラや医療機器などに使うランプを手作業で製造する。

初号機の開発担当だった高橋勉さん(65)は「宇宙ではどんな現象が起きるか分からず、右往左往しなが らの開発だった」と振り返る。

 

1999年ごろから検討を始め、完成まで約3年かかった。

一般的なカメラのフラッシュのように、キセノンガスを封入したガラス管の両端に高い電圧をかけて発光させるが、漏電を防ぐ効果を狙ってガラス管の両端を刀のつばのような形にした。

職人の技術が引き継がれる同社ならではの繊細な加工だ。

 

初号機では、計画通りターゲットマーカーに光が当たった。

 

一般的には使われない探査機用製品は商売にはならない。

しかし「我々のものづくりのプライドをかけた製品だ」(高橋さん)と引き受けた。

今回も大切に保管してあった初号機の設計図を基にランプを製造。

現在の責任者、西森憲一さん(40)は「初号機で光ったと報告を受けたときの喜びはひとしおだった。今回も朗報を待ちたい」と話す。

 

 

 

今回初めて参加した弾薬メーカーの日本工機(東京都港区、従業員456人)は、「はやぶさ2最大の挑戦」とされる小惑星表面にクレーターを作る衝突装置の開発を担当した。

宇宙機器は初めての経験。

大量の爆薬を扱いながら、装置の密閉性を確保し、軽量化する作業は困難を極めた。

さらに2011年には東日本大震災が起き、福島県内の開発拠点も被害を受けた。

 

それらを乗り越えたのは同社などの技術者の粘りだった。

異なる種類の金属の溶接や、ドロドロした爆薬の注入などの難題もクリアし納期に間に合わせた。

藤垣雄一・品質保証部長(59)は「問題を克服した経験は会社にとって無形の財産になる。

打ち上げにこぎつけることができ、震災時の多くの苦労を思い出すと感無量だ」と話す。

 

はやぶさ2の科学観測分野のとりまとめを担う渡辺誠一郎・名古屋大教授(50)は「探査機には研究者だけではなく、メーカーの皆さんの力が結集されている。それを100%活用するのが我々の仕事であり責任」と表情を引き締める。

【大場あい、永山悦子】

 

 

 

毎日新聞より

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