被災地で再利用

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東京都の小池百合子知事は産経新聞の単独インタビューに応じ、2020年東京五輪・パラリンピック大会の競技会場について「どういう形で活用できるか逆算し、五輪の仮設施設は復興道半ばの福島県や他の被災地で再利用できるようにすればいいと思う」などと語り、大会終了後に撤去する仮設施設の資材を東日本大震災の被災地である福島県などで再活用できるようにすべきだとの考えを明らかにした。

 

 

 

小池氏は東京五輪について「原点に立ち戻れば確かに復興五輪だが、その後、コンパクト五輪という言葉になった。『じゃあ今は何か』ということを考えるべきラストチャンスなのではないか」と指摘。

具体例として環境問題を挙げ、「リオ大会では仮設会場(の資材)を使って小学校を造るというストーリーになっている」とも話した。

 

その上で、「東京の会場であれ、ほかの会場であれ、仮設施設は復興道半ばの福島県で必要なものを再利用できるようにすればいいと思っている。そういう考え方を呼び起こす、呼び覚ます意味でも、(ボート・カヌー競技会場の見直しで宮城県登米市の)長沼ボート場への変更案は価値がある」とも強調した。

 

一方、豊洲市場(東京都江東区)の盛り土問題については「地下空洞の問題が出てきて、図らずも誰が何を決めているのかという都庁の問題の神髄に行き着いた。

いつ、誰が決めたのかについては行政監察の形で徹底してやっていく」と追及を続ける考えを示した。

 

また、豊洲市場への築地市場(中央区)の移転に関する判断については、来年1月半ばに判明する豊洲市場の9回目の地下水モニタリング調査結果に言及した上で、「メルクマール(指標)にしたい」との意向を示した。

 

 

 

 

東京大会の会場変更の検討が本格化する中、東京都の小池百合子知事は「原点に立ち戻るラストチャンス」と繰り返した。

3兆円を超える可能性が指摘される大会経費では“祝祭”になり得ず、五輪の持続可能性さえ危ぶまれる。

東日本大震災からの「復興五輪」の理念にこだわる小池氏だが、巨額な整備費用を国、大会組織委員会、都のどこが負担するかはまだ決まっていない。タイムリミットが迫る中、小池氏の手腕が改めて問われそうだ。

 

リオデジャネイロ五輪・パラリンピックを視察し、仮設競技場で使用された資材が小学校建設に再利用されることを知った小池氏は、「東京大会の運営には『もったいない』の思想を取り入れる」とも語る。

仮設の資材を被災地で再活用するという着想は、リオでの“気づき”が原点だ。

 

また、国際オリンピック委員会(IOC)と都の間で結んだ「開催都市契約」には、大会運営で赤字が出た場合、「都が補(ほ)填(てん)する」という一文がある点にも小池知事は懸念を示す。

 

18日に予定されるIOC会長との会談では会場見直しに関する世論の支持を背景に真意を説明するとみられる。

 

ただ、ボート・カヌー会場の「長沼ボート場」(宮城県登米市)への変更のハードルは高い。

変更にはIOCの了承が必要で、国内外の競技団体の同意も不可欠だ。

国際ボート連盟は小池氏に変更しないよう求め、組織委の森喜朗会長も「IOC理事会で決まったことをひっくり返すのは極めて難しい」と疑問を呈す。

 

一方で、小池氏は「長沼」への変更に際し、「高円宮妃久子さまがブエノスアイレスで世界に復興支援のお礼を述べられた意義は重い」と復興五輪の理念を重視する。

さまざまな思惑が交錯する中、五輪開催の「原点」を貫けるか、注視される。

【石元悠生】

 

 

 

の小池百合子知事との一問一答は次の通り。

 

--(2020年東京五輪・パラリンピックの)大会組織委員会が長沼ボート場を会場にすることに9つの課題を提示した

 

「都の調査チームが今回の中間報告を出し、いろいろなことが出てくる中で都民理解が進んでいる。新国立競技場問題でもみんなで考えることにつながった。今回も戦っているのではなくて、よりよい2020年大会にするための過程であり、かつラストチャンスだと思っている。こういうリアクションが出てくるのは逆に良いと受け止める」

 

 

--15日に長沼ボート場を視察、18日には国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長とも会談する。会場変更の流れができているのでは

 

「総合的に判断していきたい。バッハ会長に状況は説明するが、一つ一つの会場について、風がどうとか、騒音がどうとか話すのではなく、世論調査などで会場見直しを望む声が多いことなどを話したい」

 

 

--五輪にとって東京大会開催の意義を改めて伺う

 

「2024年夏季五輪招致に手を挙げていたハンブルク(独)、ボストン(米)、それからローマ(伊)は住民の賛成が得られないといって撤退しており、バッハ会長にも危機感があると思う。だからこそ、アジェンダ2020というポリシーを出された。どうやってコストを削減し、国民、都民の納得を得て大会を行うかが五輪・パラリンピックの持続可能性そのものにかかってくる。東京がある種の試金石になると思っている」

 

 

--大会招致では復興五輪がテーマだった。ボート・カヌー会場見直しは理念にもかなってくるのでは

 

「東京の会場であれ、ほかの会場であれ、仮設施設は復興道半ばの福島県で再利用できるようにすればいいと思っている。大会後、福島の復興を進める上で(大会で使った仮設の資材を)どういう形で活用できるのか、ほかの被災地にもプラスにできないかを考えていく。そういう考え方をもう一度、呼び起こす、呼び覚ますという意味では長沼ボート場の案は価値があると思う」

 

 

--都議会で集中審議が行われた豊洲市場問題に対する考え方は

 

「豊洲市場の安全性についてはそもそも2年間の地下水のモニタリング調査をきっちりやるべきだと考えており、だから開場を延期した。8回目の数値が急に上がったことが気になるが、来年1月半ばに9回目(最後)の採水の結果が出てくるので、まず、その数値を確認し、メルクマール(指標)にしたい」

 

 

 

産経新聞より

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