里山の木、家屋に再生

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愛着ある里山の木を使って、こだわりのログハウスを――。

 

東京電力福島第1原子力発電所事故で全域が避難区域となっている福島県飯館村。

 

元教諭の菅野元一さん(66)とクニさん(64)夫妻が除染のため伐採された自宅の屋敷林の木材を活用した家造りに取り組んでいる。

 

 

 

飯館村では、家屋を取り込むように植えられた「居久根(いぐね)」と呼ばれる屋敷林を国が除染の一環で伐採した。

しかし、伐採後の木の処分は地権者である住民に委ねられ、多くの木材が行き場のないまま放置されている。

 

菅野さんの屋敷林のスギなど数十本が伐採されたのは2014年のこと。

クニさんは「先祖から受け継いだ大切な木が切られ、積み重なったまま。見るたびに悔しかった」と振り返る。

 

福島県での避難生活が長引くにつれ、村の自宅はネズミの被害や雨漏りが目立つなど老朽化。

改築を検討し、建設会社と協議していた際に思いついたのが伐採木の活用だった。

 

使用する木は樹皮を剥いだ上で、放射線量を測定して安全性を確認。

自宅の改修工事を今年春から進め、これまでにほぼ完成した。

 

室内に足を踏み入れると、豊かな木の香りが広がる。

「一つ一つ、みんな思い出の木だ」。

元一さんがいとおしそうに1本の柱に触れた。

「これは『将来、家の大黒柱にしたい』と約40年前に植えた。若い頃からずっと丹精込めて育ててきたもの」

 

飯館村は来年3月末、一部を除き避難指示が解除される。

今は避難先から週1、2回自宅に通う日々だが、解除されれば村に戻るつもりだ。

 

「訪れる人が山野草を眺め、落ち着いた時間を過ごせる空間にしたい」と元一さん。

愛情とこだわりが詰まったログハウスと共に、復興への一歩を踏み出す。

 

 

 

日本経済新聞(夕刊)より

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岐阜で再生エネ広がる

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全国屈指の豊富な森林や水資源を抱える岐阜県の山間部で、再生可能エネルギーを活用する動きが広がっている。

 

郡上市では集落の農業用水を使った小型水力発電事業が始まった。

 

新産業として育成、地域活性化も視野に入れる。

 

 

 

郡上市白鳥町の石徹白(いとしろ)地区で6月、小型水力が稼働した。

最大出力125キロワット、年間発電量は61万キロワット時で130世帯分の消費電力に相当する。

 

運営は「石徹白農業用水農業協同組合」。

集落の約100この住民がほぼすべて出資して設立。

運営を全国でも珍しい農協としたのは「先祖が明治初期に水田を作るため手掘りした」農業用水が水源のためだ。

 

 

 

高山市は間伐材の活用を始めた。

同市と市内のNPO法人活エネルギーアカデミーが連携。

NPO法人は間伐材を1トンあたり2千円の地域通貨で買い取って業者に売り、燃料とする。

 

八百津町では、発電事業ベンチャー、清流パワーエナジー(岐阜市)などが町内で生じた間伐材や太陽光を使って発電。

この電気で水を分解して水素を発生させて貯蔵し、燃料電池の発電に使う計画という。

 

高齢化や人口減に直面するコミュニティーの生き残り策として、再生エネの活用が広がりそうだ。

 

 

 

日経産業新聞より

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「環境に投票を」

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「パタゴニア(Patagonia)」が、7月10日に投開票が行われる参議院選挙への投票を呼びかけるキャンペーン「Vote Our Planet(環境に投票を)」をホームページ上で展開している。

 

キャンペーンページでは、帰還困難区域に指定されている福島県双葉町内の「原子力明るい未来のエネルギー」と書かれた看板の前に防護服を着用した男性が立っている一枚の写真とともに、「ボクらはおしまいだ、健全な環境がなければ。」のスローガンを掲載。

 

 

 

文章中では水質、大気、土壌、放射能汚染など日本で起こっている環境問題を挙げ、「僕らは、家族や地域の幸福を守ってくれるリーダーを選ぶ必要がある。そのリーダーとは、きれいな水、空気、土を大切にし、気候変動対策と再生可能エネルギーへのシフトを勇気を持って進める人だ。(中略)投票こそ自分が直接参加できるアクションだ。来る7月10日、明るい未来のために水、空気、土を守るべく行動を起こそう。」と投票を呼びかけている。

 

キャンペーンの主旨についてブランドの広報担当者は「国政選挙から地元の選挙まで投票に参加し、自分たちの最重要課題である環境のために投票することをお客様に働きかける事が目的。投票権が18歳まで広がった初めての国政選挙という事もあり、その中でも特に投票率の低い20代をターゲットとしている」と説明している。

また同ページではブランド創業者イヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)による若者の投票率の低さに警鐘を鳴らし、投票を呼びかける旨のメッセージも掲載されている。

 

 

 

Fashionsnap.comより

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採取場でイチゴ栽培

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自然の力で「大谷(おおや)ブランド」を再び輝かせる―。

 

宇都宮市は建材や装飾向けの「大谷石」の産地で知られる。

ただ、出荷額は年間約3億円と最盛期の30分の1程度に衰退し、新たな産業振興が課題だ。

 

そこで宇都宮市が目を付けたのが大谷石採取場跡地の地下水。

冷却・保冷性を生かし、夏秋イチゴ栽培と保冷倉庫の整備を支援する。“スマートコミュニティー大谷”を売り込み、地域活性化につなげていく。

 

 

 

かつては旧帝国ホテルなどにも使われていた大谷石。

宇都宮市大谷地区の石材産業はコンクリートの普及や建築ニーズの多様化などで需要が低迷。

労働力不足などもあり、従業員数は最盛期の1973年頃と比べ18分の1程度と斜陽の一途をたどる。

 

大谷石は軟らかく軽量で、耐火・耐震・防湿性を備える。冷却・保冷という特徴を持ち、ゼオライトを50%以上含有しているため消臭・腐食防止にも優れる。

大谷石採取場跡地は約250カ所、延べ床面積で約56ヘクタールに上る。

その9割にたまる地下水の平均温度は7―10度C。

宇都宮市はその地下水を冷熱エネルギーに転換し活用すべく支援体制を強めている。

 

その一つがイチゴ栽培で、冷熱エネルギーで株元の温度を15―25度C程度に保つことで、夏秋イチゴの生産を促している。

13、14年度に実証実験し、15年度に地元のファーマーズ・フォレスト(宇都宮市)が試験栽培に乗り出した。

16年は5月からCDPフロンティア(宇都宮市)を加えた2社が本格生産をはじめ、7月から収穫できる見通しだ。

 

一方の保冷倉庫は、農家や企業の農産物を保管して月内にも実証実験を始める。

今後3年をめどに、東北や北関東の農産物をいったん保冷し、付随するカット工程や物流機能などを一体で運用できるよう、カット野菜加工場や物流施設などを誘致する。

 

ただ、地域住民は現在も同採取場跡地にネガティブなイメージを抱く。

大谷地域で89年に相次いだ陥没事故は“負の遺産”として語り継がれてきた。

事故以降、大谷地域整備公社(宇都宮市)が約100カ所に地震計を設置して常時監視するなど、安全面を徹底している。

 

負のイメージを払拭(ふっしょく)するには常時監視に万全を期し、自然エネルギーを最大限生かす新産業の確立が欠かせない。

「冷熱活用を軌道に乗せて地域を元気にし、雇用の創出や地域振興につなげる」と宇都宮市の矢古宇克経済部長は熱く語る。

 

 

 

宇都宮市は15年度に産学官組織「大谷エリア創再生エネルギー研究会」(清木隆文座長=宇都宮大学准教授)を組織した。同研究会で、大谷地区の冷熱活用の有効性や課題の抽出、企業誘致の場所選定などを進めていく。

 

東京圏へのアクセスの良さを訴え、“大谷いちご”のブランド化や県内外の企業誘致が成功すれば、スマートコミュニティー(次世代社会インフラ)を核とする一大産業エリア実現に弾みがつく。

「大谷でのエネルギー地産地消は、全国で地方創生が叫ばれる中でも魅力的だ。多分野での活用に取り組みたい」と宇都宮商工会議所の刑部郁夫常務理事は意気込む。

【前田健斗】

 

 

 

ニュースイッチより

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屋上緑化用の苗木供給事業

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静岡県裾野市が、民間事業者と連携し首都圏のビルなどに屋上緑化用苗木を供給する事業を本格的にスタートさせた。

 

4月中旬に生産者による「裾野市環境緑花事業協同組合」が発足し、市が整備した実証園地も稼働した。

 

少量の用土で樹木を育てる薄層軽量化技術を検証し、休耕地再生につなげる「裾野オリジナル」の事業確立を目指す。

 

 

 

組合のメンバーは同市の認定農業者6人。

市が希望者を募り、苗木、茶、稲作など多彩な分野のエキスパートがそろった。

園芸作物を手掛ける手綱史芳理事長(52)は「40代以下が3人。それぞれに得意な領域があるので新しい発想が生まれやすい」と期待する。

事業は、市内にある186ヘクタール(昨年2月現在)の耕作放棄地の有効活用につなげる狙いもある。

 

同市須山の実証園地は標高485メートルの地点で敷地面積約3千平方メートル。

3メートル四方のコンクリート製の植栽スペースを20カ所用意し、敷地内に気温・風速計、実験用の土作りに用いる用土混合機を備えた。

 

南向きの高台で、冬場を中心に風が強く吹き付ける。市農林振興課の杉山和利課長は「生育環境が厳しいところなら、条件を選ばない苗木を作れる」と意図を説明する。

 

ポイントは屋上緑化を導入した建物への負荷軽減。

用土の量をどれだけ減らせるかが問われる。

実証園地では厚さ約10センチの用土で高さ2メートルの樹木を育てられるようにするのが目標という。

現在はナンテン、ヒメシャラ、ウバメガシなど約10種を植える。

配合を変えたさまざまな用土と品種の組み合わせを試し、保湿と排水の状況、根の張り方を調べる。

 

市は、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年を見据え、2018年3月までに苗木と用土を組み合わせた製品の完成を目指す。

手綱理事長は、「都市の高層空間に安らぎの場所を提供したい」と将来像を語った。

 

 

 

静岡新聞より

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水田再生し霞ケ浦水質浄化

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耕作放棄地となった谷津田(やつだ)と呼ばれる湿地帯にある水田を再生し、霞ケ浦の水質浄化や新しい農業モデルの構築につなげようと、NPO法人「アサザ基金」(牛久市南)のメンバーが株式会社「新しい風さとやま」(同)を設立した。

 

農家の高齢化や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の影響で農地の集約化が進められる中、条件が悪くほとんど見向きもされない谷津田にあえて焦点をあて、子供たちの体験学習や地域の活性化を目指す。

 

 

 

霞ケ浦流域には大きな河川がなく、流域に1,000以上ある谷津田は地下水が湧く重要な水源地となっている。

森に囲まれた湿地帯にあり、大型機械が入れないことや狭く日当たりが悪いなどの悪条件のため、谷津田の多くは耕作放棄地となっている。

 

耕作が放棄されると雑草や木が生えて乾燥化が進むほか、水田としての水質浄化作用もなくなり、霞ケ浦の水質悪化につながる。

また、目につきにくい場所にあるため、残土や産業廃棄物などの不法投棄も懸念される。

 

アサザ基金はこれまで、20年以上にわたり企業や学校、地場産業と連携して霞ケ浦の水質浄化や無農薬米の栽培、酒造りなどに取り組んできた。

だが、谷津田がどんどん耕作放棄地化されていることに危機感を抱いた。

高齢化した農家から「うちの田んぼも何とかしてくれ」などの声も相次ぎ、会社組織を立ち上げることにした。

 

新しい風さとやまは、谷津田で守られた水源地で「さとやま米」を栽培し販売する。

ホタルが舞いメダカが泳ぐ日本の原風景の中、完全無農薬で無化学肥料栽培という付加価値を付け、国内外の消費者にアピールする。

 

今年は牛久市と鹿嶋市で30年以上前から耕作放棄地となっている谷津田2.5ヘクタールを再生させ、コシヒカリを栽培する。

谷津田は一枚一枚が狭いため、少しずついろいろな品種の栽培が可能という。

同社では栽培面積を3年目には10ヘクタール、10年目には200ヘクタールに拡大することを計画している。

 

また、参加型里山農業事業として、市民や企業、修学旅行、外国人旅行者向けのエコツーリズムや「マイ田んぼ制度」、農家レストランなどを実施する。

地域の小中学校の総合学習の時間を使い、耕作放棄地から水田を復活させ、田植えや稲刈りなどを行う体験学習も計画している。

 

牧文一郎社長は「この事業が成功すれば農業はおもしろくなり、海外へ輸出しても注目される。谷津田は全国にあるので、地方創生のモデルにもなる」と話している。

【篠崎理】

 

 

 

産経新聞より

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海の森林の砂漠化を防げ!

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海の森林のことを「藻場」という。

水産資源の豊かな北海道でも最近特に、この藻場の磯焼けが進み、「海の砂漠化」が大きな問題になっている。

 

こうした中、「砂漠化防止に貢献できないか」と、函館港で昨年6月から、海の森づくりに向けた調査に取り組んでいるのが、札幌市内のテクノパークにオフィスのある環境調査会社のエコニクスだ。

エコニクスは、光ファイバーを使った海洋観測システムの開発を行っている。

 

同社のマリンラボ所長の鹿糠幸雄さん(52)は、専門は化学分析だが、手先が器用なことからさまざまな機械を手づくりし、海洋調査の効果を上げている。

 

「海の森(藻場)作りにはまず、海を知らなければいけない」と、光ファイバーを使った海洋観測システムで、海中のデータを取得する。

リアルタイムの24時間データだ。

 

現在、函館港の内側と外で計測しているのは、潮位、水温、Ph、塩分、溶存酸素など。

「湾内でも水温の変動がこれほど急激に起きるとは思わなかった」。

細かいデータを取ることで、分かってくることがある。

 

そのために、さまざまな機械を開発し、改良を続けている。

リアルタイムでの観測が、研究室にいながらにして可能になり、藻場の整備の効率化が飛躍的に高まった。

 

「今は手探りだが、人間の見えないものが、こうしたデータから見えてくる。10年後までに藻場を元通りにしようとすれば、今すぐにやらないといけない。いかに早く回復させるかだ」と、鹿糠さんは力を込める。

 

「興味を示してくれるところは多い」とは言うが、なかなか商売には結びつかない。

研究開発には、かなりの費用がかかるが、「北海道の海だけでなく、日本中の海が再び豊かに蘇るときを期待」して、研究は続く。

【松垣透】

 

 

 

産経新聞より

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“酷暑五輪”風の道広げ克服

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真夏に開催される2020年の東京五輪に向けて、都市の暑さ対策がクローズアップされてきた。

 

環境省は来年度予算で余剰地下水などを活用した実証事業を要求しているほか、東京都もオリンピック準備局と環境局を中心に暑さ対策の検討に着手した。

 

2020年に向けた都市再開発の活発化でヒートアイランド現象の深刻化が懸念されるだけに、日本橋川や旧・京橋川などの地域では「風の道」や「緑地」を活用した環境に優れた都市づくりも動き出している。

 

 

 

「東京オリンピックまで、あと6年。100年かかって3度上昇した東京の気温を短期間で元に戻すのは難しいが、何らかの暑さ対策は必要だ。熱中症などで救急搬送される人の増加も心配される」(環境省水・大気環境局大気生活環境室・山根正慎室長補佐)

 

東京五輪の開催期間は7月24日から8月9日までの17日間。

ちょうど東京が最も暑くなる時期だ。

パラリンピックは8月25日から9月6日だが、残暑も厳しい。

室内競技場には空調設備もあるが、日本期待のマラソンのコースは超高層ビルが林立する都心部に設定される予定で、選手はもちろん沿道で応援する観 客にとっても過酷な環境となるのは間違いない。

 

10月開催だった50年前の前回五輪での爽やかな秋晴れの印象が強いためか、真夏の大会に向けた暑さ対策の準備はほとんど進んでいないのが実情だ。

オリンピック招致の立候補ファイルでも触れていない。

東京都環境局に問い合わせると「オリンピック準備局と真夏の大会を適切に運営するための検討を始めたところ。

具体的な取り組みはこれからだ」(都市地球環境部環境都市づくり課)という。

 

しかし、2020年に向けて都心では再開発が既に活発に動き出している。

ヒートアイランド現象の原因は、都市化による緑地や水面などの減少と超高層ビルなどの高密度化、それに自動車や建築物からの人工排熱の増加だ。

十分な対策を講じないままに都市再開発が進めば、一層の深刻化は避けられない。

 

ヒートアイランド現象をオリンピック期間だけ緩和できれば良いわけではない。

高齢化の進展で、6~9月の夏季に熱中症で救急搬送される人は東京都でも毎年3,000人を超え、猛暑だった2013年は4,500人を記録した。

快適に生活できる都市環境を実現するためにも、大会に向けた短期的な対策だけでなく、長期的な対策にも取り組むことが不可欠だ。

 

鍵を握るのは、都市の人工排熱などを拡散する役割を果たす「風の道」の確保。

ヒートアイランド対策として風の通り道の重要性が広く認識されたのは、旧国鉄跡地を再開発して2002年に街開きした汐留シオサイトがきっかけだった。

東京湾から浜離宮庭園を通って吹き込む海風を遮るように超高層ビル群が建設されたため、内陸部に吹く風が弱まり、ヒートアイランド現象が悪化したとの研究結果が報道され、注目が集まった。

 

2004年3月に政府が策定したヒートアイランド対策大綱には「都市において緑地の保全を図りつつ、緑地や水面からの風の通り道を確保する」ことを明記。

昨年12月には国土交通省が「ヒートアイランド現象緩和に向けた都市づくりガイドライン」を策定し、「風の道」を活用した都市づくりを積極的に推進する方針を打ち出している。

 

特に“川”の重要性が再認識されている。

日本橋で再開発を進める三井不動産日本橋街づくり推進部の新原昇平部長は「日本橋川も川沿いの建物をセットバックして風の道を広げられるように地元と検討を進めている。ただ、川の水面を高速道路が塞いでいるために、気温を下げる効果が十分に発揮できないのが残念だ」と話す。

 

 

 

東京の川は、もともと東京湾からの涼しい海風を内陸部へと送り込む機能を果たしていた。

現在でも隅田川、日本橋川、古川などは風の道として大きな役割を 発揮しているが、前回の東京オリンピックの時に高速道路がかけられ、小さな川や堀は次々に埋め立てられたり、暗渠(あんきょ)となり、風の道としての機能が失われてしまった。

 

日本橋川で高速道路が撤去できれば、水面を吹く風の量が増えて、気温を2、3度下げられるとのシミュレーション結果もあり、“川の再生”はヒートアイランド対策の切り札となり得る。

 

戦後に埋め立てられた旧・京橋川を復活させようという地元住民による活動も2010年から始まっている。

当初は地域活性化策として京橋三丁目町会が出したアイデアだったが、東京大学大学院の石川幹子教授(現・中央大学教授)に相談すると都市再生の具体的なテーマとして研究がスタートした。

 

「海洋研究開発機構地球シミュレーターセンターと東京大学石川研究室による解析では、京橋川の再生で気温が0.2~1.0度低下し、地表付近の風速が毎 秒1メートル強くなるとの結果が得られた」と、石川研究室の研究員だった街づくりコンサルタントの鹿内京子氏は再生の効果を強調する。

京橋川の再生に向けては、現在、京橋三丁目町会が中心となってNPO法人(特定非営利活動法人)「京橋川再生の会」を設立し、中央区に提案している。

実現の可能性は未知数だが、京橋川を復活して川沿いを「京橋川公園」にしようというアイデアだ。

 

ただ、一足飛びに埋め立てた川を再生するのは極めて困難。

旧京橋川の埋め立て地には、前回の東京五輪の時に東京高速道路株式会社が賃貸ビルと無料の高速道路を一体開発した「KK線」を建設し、首都高速道路都心環状線と接続されている。

土地は東京都が所有するが、建物や道路は民間会社の所有であり、撤去を求めるのは簡単ではない。

 

そこで短期的に実現可能な方策として、KK線を残したまま車の交通を止め、外堀通りと昭和通りの間の550メートルの区間を屋上庭園にすることも提案する。

KK線の交通量は平日4,000台以下で、5万台以上の都心環状線の10分の1以下。

京橋川再生の会としては旧・京橋川部分の交通を止めても、道路ネットワークへの影響は小さいとみる。

 

モデルとしたのは、9月に全長2.3キロが完成した米ニューヨークのハイラインだ。

使われなくなった高架線路を利用して遊歩道と公園として整備し、2009年から順次オープンし、新しい観光スポットとして人気を集めている。

 

「まずは交通量の少ない休日で試して、オリンピックの期間に開放してはどうか」(鹿内氏)。

高架道路からは、マラソン選手が走る中央通りを見下ろせるので、絶好の観覧席になる。

観光スポットとして集客力が高まり、賃貸ビル経営にもプラスだ。

 

先月、イタリア・ベネチアで開催された第3回ヒートアイランド対策国際会議では日本での20年以上にわたるヒートアイランドに対する研究や対策の取り組みが表彰されるなど、国際的にも高く評価されている。

今月2日に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書では、地球温暖化対策の緊急性が改めて強調された。

 

それだけに、日本のヒートアイランド研究の第一人者である、国交省国土技術政策総合研究所環境・設備基準研究室の足永靖信室長は「東京五輪では水素自動車の導入など地球温暖化ガス削減に向けて、さすが日本と評価されるような最先端の環境対策を示す必要がある」と力を込める。

 

戦後復興と高度経済成長を世界に印象付けた前回の東京五輪に対して、2020年では何を世界に示すのかが問われている。

 

 

 

SankeiBizより

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514商議所連携

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日本商工会議所は、全国514の商工会議所ネットワークを活用した観光振興に本格的に乗り出す。

 

地域の外からの需要を取り込み、交流人口を拡大させることで、「地域経済の好循環」を生み出す。

 

政府は東京五輪の開催を視野に、2020年までに訪日外国人観光客を2,000万人にする目標を掲げている。

 

 

 

全国商工会議所の取り組みは、国内観光の活性化はもとより、「インバウンド」と呼ばれる海外からの観光客誘致にも力を入れる方針で、地域再生の起爆剤に生かす狙いだ。

 

日商の三村明夫会頭は「514商工会議所が連携し、観光振興の取り組みを推進していく」と力を込め、観光ネットワークの実現に強い意欲を示す。

すでに、「商工会議所観光ネットワーク」(CCI観光NET)を構築し、観光振興の取り組みのフォローアップや情報の共有・発信のための推進体制の整備を目指している。

 

各商工会議所も、インフラ整備や人材配置に着手している。

具体的には、小都市を含め、各地の商工会議所に観光委員会や観光部会などを設け、観光推進の中核とする。

また、商工会議所事務局には観光担当者を置く。

都道府県単位で各商工会議所間の定期的な情報交換・意見交換を行うとともに、連携による広域観光 振興を推進する。

さらに、日商と各地の商工会議所観光委員会、担当者らとのネットワークをつくり、情報交換・発信を進める。

 

日商流通・地域振興部の谷脇茂樹課長は「商工会議所会頭や商店街組合の会長などのリーダーが中心となって、観光振興への取り組みを成功させたケースも出ている」と成功例を明かす。

 

地域が一丸となって取り組むための体制整備を構築したケースとしては、延岡商工会議所(宮崎県)が、行政や観光協会、非営利団体(NPO)、住民などを巻き込んだ観光イベントを開催。

一般の家庭に宿泊する「民泊事業」を始める住民も登場し、人気となっている。

 

また、地域の特色を生かした観光資源の開発では、大分県の豊後高田商工会議所が5年かけて、商店街が元気だった昭和30年代をテーマにした街づくりに取り組んだ。

全国300件の事例を研究し、昭和の建築、歴史、商品、商人の4つの再生をテーマに掲げ、総延長500メートル、100軒の商店街を段階的に再生させることに成功した。

 

広域連携で広範囲からの誘客に成功したケースもある。

臨海地に工場を有する室蘭(北海道)、川崎(神奈川県)、四日市(三重県)、徳山(山口県)、新南陽(山口県)、北九州(福岡県)の6商工会議所は、各地持ち回りで「全国工場夜景サミット」を開催。

事例発表やフォトコンテスト、開催地の工場夜景ツアーの実施などを通して、旅行業者などに工場夜景の魅力を広く発信している。

 

日商と全国商工会議所は、3カ年計画で観光振興を図る方針だ。

第1段階として、今年度までにネットワーク構築などの体制づくりを完成させるほか、2015年度までに、地域の観光資源の磨き上げと魅力ある商品化、ブランド化などを図る。

さらに、リピーターを増やすための取り組みを強化し、国内需要を固める。

2016年度までに長期滞在型の観光と、インバウンドの促進に取り組む方針だ。

 

地域連携により、より広範囲からの誘客を実現し、地域間の周回性を高めるほか、外国人旅行者の受け入れ態勢の整備や誘致活動を強化する。

【小島清利】

 

 

SankeiBizより

 

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世界初方式の波力発電設備

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東京大先端科学技術研究センターが福井県越前町小樟の海岸沿いに建設していた、世界初の人工ブローホール(潮吹き穴)を使った波力発電設備が完成し2日、施設前で実験開始式が行われた。

 

来年3月まで毎日24時間稼働させ、発電量や効率などのデータを取る。

 

最大30キロワットの出力が可能という。

 

 

 

ブローホール波力発電は海岸沿いの岩盤に穴を掘り、穴の中に出入りする波の上下動で起きる風でタービンを回転させて発電する。

これまで国内で実験された複数のタイプの波力発電よりも人工物が少ないため、建設費や維持管理費を抑えることができ、環境にも優しいという。

 

式には関係者ら約30人が出席。

同センターの西村幸夫所長は「再生可能エネルギーの研究はセンターの柱。成果に期待している」とあいさつ。

同町の内藤俊三町長は「町として誇りに思う。全国に広がっていくことを楽しみにしている」と述べた。

 

同センターの飯田誠特任准教授は、風を効率よくとらえるタービンの開発や、出力を上げるための新しい方法などを取り入れた施設の概要を説明。

西村所長ら6人がタービン始動のボタンを押した。

 

飯田氏は「支えてくれた地元の方々への感謝の思いでいっぱい。他の再生可能エネルギーと肩を並べられるようになりたい」と話していた。

 

環境省の地球温暖化対策技術開発・実証研究事業に飯田准教授らの計画が採択され、2012年度から3年間の事業として進めている。

 

日本海の強い波や、施設に適した地形のある同町を研究地に選び、昨年12月からブローホールの掘削工事を始めた。

直径1.4メートル、長さ約50メートルの穴を海面に向かって斜めに3本貫通させ、タービンや計測室なども設置した。

 

 

 

福井新聞より

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