LED照明を再利用

 

生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市、大山健太郎社長)は使用済みの発光ダイオード(LED)照明を回収・リサイクルする事業を4月から始める。

 

東日本大震災後に普及したLED照明の寿命が切れるのに合わせ、回収を契機に新たな自社製品への買い替え需要を狙う。

 

初年度は20万台の回収を見込む

 

 

 

リサイクル会社のハリタ金属(富山県高岡市)と法政大学と共同で、使用済みLED照明の回収やリサイクルを一貫して行う事業スキームを業界で初めて開発した。

アイリスオーヤマが小売店や企業のオフィスから回収した使用済みLED照明を、ハリタ金属がアルミニウムや貴金属などを再生原料として再利用可能なレベルにまで自動で選別。

純度を高めて、素材として再利用する。

 

例えば金属や貴金属は二次再生原料として、精錬の原材料に使う。

破砕残さはリサイクルされ、最終的には副資材に有効利用する。

ハリタ金属は既存の電子機器リサイクルの設備を活用し、LEDに最適なリサイクル工程の設定を開発した。

 

また、ハリタ金属が手作業で廃LED素子を選別して法政大に渡し、法政大が酸化ガリウムを濃縮して抽出する。

酸化ガリウムは窒化ガリウムの原料として再利用するほか、次世代のパワー半導体デバイスに応用することも検討する。

 

アイリスオーヤマはこれまでもLED照明の回収はしておらず、従来はそれぞれの廃棄に任せていた。

蛍光灯よりも長寿命のLED照明は2011年の震災後に本格普及し、24時間営業のコンビニエンスストアなどでは約5年間の寿命切れを迎えつつある。

そうした事業所の使用済みLED照明を他社製も含めて回収し、その際に新たな高効率のLED照明を売り込む。

 

アイリスオーヤマは2009年にLED照明事業に参入して売り上げを伸ばしたが、価格競争が激しく、2013年12月期から2015年12月期まではほぼ横ばいの240億円程度にとどまっている。

 

改修で買い替え需要をとらえることで、2016年12月期のLED照明の売上高は2015年12月期に比べ約5割増の360億円を目指す。

【中藤玲】

 

 

 

日経産業新聞より

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株式会社トリムはガラスをリサイクルする特許技術でガラスから人工軽石スーパーソルを製造しています。
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