石膏ボード、製品認定少なく

 

 

一般社団法人泥土リサイクル協会(愛知県稲沢市、木村孟理事長)は2月10日、名古屋市内で「石膏ボードリサイクル社会実装に向けて」とのテーマで講習会を開催し、その中で、同協会のコミュニケーションズマネージャーの西川美穂氏は石膏ボード由来の製品認定は47都道府県中16で、公共工事での使用実績があるのは全国でも7都道府県しかなく、ガイドライン作成の必要性が高いことを指摘した。

 

同協会は現在石膏ボードのリサイクル促進のため、全国の業界団体が連携し、ガイドラインの作成を進める全国石膏ボードリサイクル協議会(太田敏則代表)の事務局を務める。

本講習会では「環境安全品質ガイドライン策定の必要性について」をテーマとし、業界関係者、研究者などによる多くの講演が行われた。

 

西川氏によると、先の数字は環境省の2014年度廃石膏ボードの再資源化促進方策検討業務で報告されたもので、7都道府県しかない理由として廃石膏ボードのリサイクル製品の登録数が少なく、品質や性能の判断材料が乏しいことを説明し、「リサイクル品を製造する、そして使用するためのガイドラインが必要だ」と述べた。

 

国立環境研究所の遠藤和人主任研究員は、硫化水素発生のための条件や、石灰と混合した際の固化材としての強度などさまざまなデータを提示し、有効性を示した。

さらに「ガイドラインを作り、リサイクルできることを示していけば、将来的には特定建設資材とされることで、より一層のリサイクルの向上も期待できる」と述べた。

京都大学・大学院地球環境学堂の乾徹准教授は、整備新幹線、3環状道路、東京オリンピック等の大型事業、建設リサイクルの推進などの社会動向を踏まえた上で、「土の有効利用に関わる法制度の変化に伴い、環境安全性の評価に関する課題が顕在化している」と述べ、一定の管理の水準、環境安全性の評価方法の標準化の観点が重要になるとした。

 

(一社)石膏ボード工業会の北坂昌二専務理事は最新の石膏ボードの製造状況やリサイクル状況、建築データなど「固化材や、農業用土壌改良材の拡大に期待したい」と述べた。

日工の蓬莱秀人氏は半水石膏製造装置の仕組みについて解説した他、日報ビジネス・東京事業所長の冨見田陽一はメディアという視点から石膏ボードリサイクル状況と課題について解説した。

最後に、全国石膏ボードリサイクル協議会・副代表の大嶋武氏が「石膏ボードのリサイクルは待ったなしの状況になりつつある。多方面に検証し、より多くのビジネスを確立できる体制の構築を進めなければならない」と締めくくった。

 

 

 

循環経済新聞より

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株式会社トリムはガラスをリサイクルする特許技術でガラスから人工軽石スーパーソルを製造しています。
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