漂着ごみなどの廃プラスチックから燃料用の油を生成する環境省の実証事業が、長崎県五島市三井楽町の三井楽清掃センターで昨年12月から始まった。
本年度内に燃料として適しているかどうかを調べ、将来的にはごみ処理費用の削減などにつなげる狙い。
14日には小型油化装置が設置されている同センターで、市民向けの見学会があった。
小型油化装置は高さ3.7メートル、幅4メートル、奥行き2.5メートル。
細かく砕いた廃プラスチックを装置に投入後、350~400度で加熱処理し、発生した気体を冷却して油を生成する。
処理能力は1時間で最大50キロ。
廃プラスチック100キロから約80キロリットルの油を生成できる。油は灯油や軽油相当の性質という。
五島市は漂着ごみが多いことから、環境省が実証事業の実施を決めた。
2014年度は市内で220トンの漂着ごみが回収され、ほとんどが発泡スチロールなどプラスチックごみという。
見学会には市民ら約30人が参加。
装置を製造した業者の担当者らが仕組みを説明。油が生成されるところを見て回った。
同省企画課リサイクル推進室の鈴木弘幸室長補佐は「処理コストがかかる漂着ごみから燃料用の油を生成できれば、市民の経済活動にも還元できるはず」と話した。
長崎新聞より