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2005年04月11日

カキ殻で水質浄化(株式会社フジタ)

株式会社フジタは、静岡県主催の「浜名湖水質浄化技術の提案事業者募集」に採択された『カキ殻を有効利用した浜名湖浄化技術』の実証実験を、浜名湖松見ヶ浦で約1年間にわたり行ってきた結果、生物の棲み易い環境へと効率よく修復、改善していることを確認。


水底で発生する硫化物イオン等が原因となる貧酸素水塊の発生、湧昇現象(青潮)による魚介類の減少、富栄養化によるアオコや赤潮の発生などが問題となっていますが、

浜名湖での漁業廃棄物であるカキ殻を浄化資材として活用した底質改善と水質浄化の2種類の技術を開発し実証実験を行った。


工法は「カキ殻サンド工法」
廃棄物であるカキ殻を粉砕後、有機物を除去した「カキ殻サンド」を、水深2~5m程度の底質(ヘドロ)に被覆する方法。

さらにカキ殻を充填した籠を水深1~6mに設置し、カキ殻に棲みつく生物により湖水を直接浄化することを意図した水質浄化技術の「カキ殻マット工法」の2種類。

 「カキ殻サンド工法」により夏季の湖底付近の硫化物イオン発生を最大90%減少し、湖底付近の貧酸素状態も緩和するなどの大きな成果を得た。

「カキ殻マット工法」では、約40種類の底生動物がカキ殻1m3あたりに約90kg着生するなど、多様で豊富な底生動物の棲みかとなっていることを確認しました。また、魚のえさとなるゴカイなどの底生動物を増加させることなどから、漁礁としての効果も期待できます。

 今後は、効率的な浄化設計手法を構築し、保有技術を組み合わせて干潟造成等の自然再生事業へ積極的に提案し、実績を重ねていくもよう。

投稿者 Melody : 2005年04月11日 17:48