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2014年05月08日

廃ガラス軽石、生産増量

環境関連商品の開発を手掛けるトリム(那覇市、坪井巌社長)は廃ガラスから作る軽石状の土木資材を増産する。

港湾施設の耐震化や道路延伸などの工事の増加に伴う資材の需要拡大を見込み、1日30立方メートル弱の生産量を2倍に引き上げる。

年内に工場を移転し、24時間体制の生産に対応する。
台湾など海外への生産設備輸出にも乗り出す。


増産するのは「スーパーソル」(商品名)。
土木工事のほか、人が踏むと音が鳴る「防犯砂利」や園芸材としても普及している。
「資材の機能性が認められ既に受注を一部断っている状態」(坪井社長)という。

沖縄八重瀬町にある現在の工場は周辺への騒音面の配慮から1日8時間程度しか稼働できない。
年内をめどに同町内で周辺に人家が少ない場所に移す。
生産業を倍増し、生産の効率化を目指す。

同社によると、県内では港湾施設を耐震岸壁に改修する際などに同資材の需要が高まっている。
沖縄の日本復帰に前後して整備されたインフラが老朽化し始めており、延命工事などでの消費も見込む。
資材の販売額は2013年の1億1千万円から、移転後は2億円に引き上げる。

設備の海外向け販売も始める。
台湾のガラス加工会社など3社が設立した現地企業に設備を輸出する契約を2月末に結んだ。
9月までに設置する。
設備の販売価格は約2億8千万円。
アジア、オセアニアから複数の打診があるという。

国内では10カ所以上に生産設備を販売、設置している。
東日本大震災からの復興や2020年の東京五輪に向け、同資材を使った工事が増えると見込んでいる。

スーパーソルは、ガラス瓶などの廃ガラスを粉末化し発泡剤を混合して焼成する軽石状の資材。
温度などの条件を調整することで給水能力や密度が変えられるという。
重さは通常の砂利の6分の1から8分の1程度と軽く、軟弱地盤の道路工事などに適している。

多孔質の構造を持つため水質浄化機能も見込まれており、同社はろ過用の石材としての出荷拡大も見込んでいる。
水を遮断する特殊な膜と組み合わせることで、災害に備え庭などに雨水を貯留しておくシステムとしてしても販売する方針だ。

日本経済新聞より

投稿者 trim : 2014年05月08日 09:54