« 【環境省vs.経産省】資源ごみ処理 綱引き | メイン | 政令市サミット 環境への取り組み報告(上) »

2005年05月27日

意外な紙の“原料”(スリランカ)

世界的に野生ゾウの生息域が開発などで狭まる中、インド洋の島国スリランカも例外でない。この国では長年の内戦の影響もあり、密林を追われたゾウが人里に姿を現し、人間との“争い”が絶えない。そんな中、同国中西部のピンナワラにはゾウの孤児院があり、近くにゾウのふんから紙を作るユニークな工場がある。

ピンナワラには、内戦で傷ついたり、群れからはぐれた野生の子ゾウを保護し、育てる孤児院がある。スリランカの中心都市コロンボで印刷業を営んでいたツシッタさん(38)は1997年、小さな製紙会社マキシマス社を設立。孤児院の近くに工場を建て、主に約70頭いるゾウのふんを集めて再生紙作りを始めた。
ふんは2~3日間天日で乾かす。ほとんどが繊維分のため、手でほぐすことができる。においはほとんどない。大鍋に入れて丸1日かけてゆで、古紙と共に水に混ぜて細かく粉砕。染料も加えてすけば、和紙のような紙に仕上がるのだ。
「ゾウはココナツやジャックフルーツの葉などの植物を食べている。腸内で消化するので、紙パルプを作る人間の手間を半分省いてくれるんです」と説明する。排せつ物も有効活用する「もったいない」精神の極致か。
ツシッタさんは「ふんを利用することでゾウとの共生の道を探ると同時に、農民に職を与え、雇用を創出したい」と話す。この紙製品は、日本では「ぞうさんペーパー」として動物園などで販売されている。

毎日新聞より

投稿者 Melody : 2005年05月27日 12:17