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2007年06月01日

F1の開発が市販車の開発に直接結び付く(国際自動車連盟)

FIA(国際自動車連盟)のマックス・モズレー会長は、2011年から導入される予定の環境対応の新レギュレーションについて「F1の開発が市販車の開発に直接結び付く」と語った。

現地時間(以下、現地時間)5月31日、イギリスのモータースポーツ専門誌『Autosport』(電子版)が伝えている。

M.モズレー会長は、バイオ燃料エンジンなど環境対応の技術が盛り込まれた新F1レギュレーションが、コスト面や、エンターテインメント面でも利点があると主張している。

モナコGP期間中、マクラーレンのロン・デニス代表は、新レギュレーション導入によってもたらされる莫大なコストが、個々のチームを破産に追い込む危険があると予想し、F1にとっていいものかどうか疑問を投げかけていた。

しかしM.モズレー会長は、F1の公式サイト『Formula1.com』でのインタビューで「我々は、2つのメーカーだけが予算を減らしていることを確認している。他メーカーは、エンジン開発が凍結されている今でも、そのままだ。数億ものコストをかけて小さな領域の開発を続けているが、そんなことをしても最大で3、4馬力が増えるだけだ。これは愚の骨頂だよ。他の例では、あるチームは1個1,200USドル(約14万6,000円)の使い捨てのホイールボルトを使っている。1年あたり1,000個のホイールボルトを消費しているから、ホイールボルトのためだけに120万ドル(約1億4,600万円)もかけていることになるんだ! FIAは一連の性能重視の狂った判断を正さなければならない」と、F1における開発コスト高騰に危機感を訴えている。

コスト削減の方法についてM.モズレー会長は「2011年に適用される新しいプログラムで、F1テクノロジーの創造性と複雑さをより健全な方向へ流れを変えていこうとしている。我々は技術者や大メーカーの委員たちと話し合い、1つのエンジンの開発に数億も投じたいのならば、少なく限られたエネルギーからより大きな性能を引き出すのはどうかと提案している。このアイデアの背後には、F1の開発が市販車の開発に直接結び付くということがある。共通する部分が大きければ大きいほど、経済性も高くなる。そして地球温暖化の抑止にもいいだろう」と、自らの展望を語った。

さらにM.モズレー会長は、各メーカーがより効率的なエンジンを開発するのを促進するため、2011年からテスト及びレースでの厳しい燃料量制限を提案している。しかし、ここ数週間で噂に登ったシャーシのワンメイク化は実施しないことを明らかにした。

M.モズレー会長は「新しいシャーシのレギュレーションのみは、ノーだ。(新レギュレーションによって)環境への影響を減少させると同時に、このスポーツ(F1)をもっと魅力的にしなくてはならない。トップチームが四六時中2つの風洞を稼働させることで、どれくらいのエネルギーが浪費されて、二酸化炭素が大気を汚染しているかわかるだろうか? 何百、何千㌧か、それ以上だ。この結果、不運にもF1レースは退屈なものになった。極端に洗練された空力が、オーバーテイクを抑制している。新しいレギュレーションでは、再びオーバーテイクを可能にしたい。これは、前を行くマシンより後方のマシンが速く走れるように、空力的に規格化されたときのみに可能だ。他に何も影響を及ぼさない。“新しい”F1は次のようになるはずだ。メーカーが5レース持ちこたえるエンジン、ギアボックス、電子部品を供給し、チームはそれぞれのシャーシを製造するんだ」と新レギュレーションのもとで、F1のスポーツとしての魅力を活性化する考えを明かした。

ISMより

投稿者 trim : 2007年06月01日 17:10