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2007年09月09日

緑化ビジネス過熱 ゼネコン各社、技術・意識向上

ヒートアイランド現象の防止に有効とされる屋上緑化の技術を大手ゼネコンが競っている。

全国の緑化施工面積はこの7年で少なくとも10倍以上に伸びているが、土壌の軽量化や維持管理の簡易化緑化技術進歩が支えてきた要因が大きい。

京都議定書の目標達成も危ぶまれる状況の中で、ゼネコンにも環境保護に対する意識が高まっており、緑化ビジネスはますます熱くなりそうだ。

40㌢四方の植栽パネルを敷くなどして、手軽にビオトープ(野生生物の生息空間)を作り出すシステムを開発したのは清水建設。
今年3月、東京都品川区の特別養護老人ホームに導入した。

1枚のパネルは高さ約15㌢で2層構造。
上層には軽量の専用土壌を入れ花や木を植える。
下層は雨水などをためるトレーになっており、吸水体で下層から上層へ水を吸い上げ土壌に水を与え続けることができる。このため、夏場を除いて水やりの手間はほとんど必要ないという。

同社は「ビオトープは、多様な動植物が生息できる“里山”と似た環境を作り出せる。
植栽する木や草花は、住んでもらいたい昆虫や鳥などに応じて選んでいただく」と話している。
設置費用は1平方㍍約10万円で、集客施設や教育施設に売り込む考えだ。

大成建設が売り出しているのは、発泡スチロールを混ぜたりすることで軽量化した土壌で芝を育てる緑化基盤。
発泡スチロールは使用済みのものを再利用。
芝は品種改良して伸び方を遅くしているため、「刈り込み作業の頻度が少なくて済む」という。標準価格は1平方㍍あたり1万8,000円だ。

鹿島は今年8月に従来品に品質改良を加えた屋上緑化用の培養土を発売。
成分の組み合わせを変えたことでコストを15%カットし、土壌の保水性を約1.3倍に高めた。
商品は2種類あり、草花用は12㍑入り5袋で6,000円、樹木用は、1立方メートルあたり2万3,000円だ。

屋上緑化は着実に広がりをみせている。
国交省が全国のゼネコンや造園建設業者など約300社を対象に調査したところ、昨年新たに施工された屋上緑化の面積は25.5㌶。
平成12~18年の7年間の累計は約160㌶となり、12年の約14㌶の10倍以上にまで拡大している。

こうした広がりについて、同省では「軽量化など緑化基盤に関する技術開発が進んで普及するようになったからだろう」と分析する。
また、東京都が条例で一定基準を満たす新築・増改築の建物には緑化を義務づけるなど、各地の自治体が緑化推進の環境づくりを進めていることも広がりを後押ししている。

産経新聞より

投稿者 trim : 2007年09月09日 14:02