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2008年01月11日

【埼玉県戸田市】低コストのリサイクル素材で屋上緑化の推進図る

戸田市は、オールリサイクル素材による「フェルトガーデン戸田」を使用した、低コストの屋上緑化推進に向けて、今年度から本格的な普及活動を開始しており、新年度から小学校1~2校の校舎屋上緑化に着手する予定である。

この「フェルトガーデン戸田」は、古布をリサイクルしたフェルトを土壌代わりに使用した、軽量で安価な緑化手法で、平成16~17年度に実施した、庁舎ベランダや屋上での実験(芝生の生育状況や真夏における温度差のデータ収集)を踏まえ、特許庁に商標登録した名称。

庁舎屋上の緑化設備の構造は、耐水フィルムを敷いた上に、生ゴミの堆肥とスーパーソル(ガラスの廃材)をブレンドしたものを、厚さ1cm程度のフェルト(古布)で挟み、ペットボトルのキャップで作ったフレームで囲っている。全体の厚さは約10cm。
芝生は種蒔きで、和芝、洋紙芝とも元気に生育している。また、農薬や化学肥料は使用せず、EM液(黒みつと有機微生物群)を施しているのが特長。

このメリットは、リサイクル素材を使用したことにより、廃棄物の減量が図れるほか、土壌による屋上緑化より大幅に軽いため、特別な建物の補強工事が必要ないことから、施工費用が安価で、維持経費も割安となっていることが挙げられる。

さらに、市の実験データでは、屋上コンクリート温度が45℃の時、緑化設備の中心部が34℃と、11℃も温度を下げる効果があった。
また、市内の企業(ジャパンエナジー研究所)が、「フェルトガーデン戸田」を使用した屋上緑化設備の実験データでは、屋上コンクリート部が52℃の時、芝生根元で35℃、フェルトガーデン底部で28℃という結果が示されている。

このように、ゴミの減量化になり、省エネにつながり、緑も増やせる一石三鳥の取り組みに対して、国内の自治体はもとより、外国からの視察や問い合わせがあるなど、各方面から高い関心が寄せられている。

今後、市では公共施設への施工はもとより、温暖化防止、とりわけヒートアイランド現象の緩和に著しい効果が期待されることから、条例で屋上緑化が義務付けられている都内のビルへの設置を働きかけていく方針で、パンフレットを作成中。

日本工業経済新聞より

投稿者 trim : 2008年01月11日 17:25