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2008年10月23日

宿泊型農業体験施設「秋津野ガルテン」

廃校になった小学校の木造校舎や跡地を滞在型の農業体験施設として再生した「秋津野ガルテン」(和歌山県田辺市上秋津)が完成し、11月1日にオープンする。

設立や運営は地元の農家らが出資した会社が行うなど地域主導型の施設で、自然環境を生かした地域活性化のモデルケースとして全国から注目を集めている。

高齢化に悩む上秋津地区では有志が集まり、「基幹産業である農業を継承しながら地域の財産も活用しよう」と模索し、都市住民向けの農業体験施設を企画。

運営する農業法人会社秋津野(楠本健治社長)には地域住民291人を含む全国489人から計約4,000万円の出資金(資本金)が集まり、4月から施設整備を始めた。

施設は、ドイツにある貸し農園付き宿泊施設がモデル。
昭和28年建築の旧上秋津小学校北校舎(木造2階建て)の内部を耐火構造にするなど改修し、料理や農作業、会議をするスペース「体験交流施設」(約700平方㍍)とした。

旧校庭部分には木造2階建て延べ約350平方㍍の宿泊施設を新築し、計32人が泊まれるようにした。
内部にレストランも設け、地元の主婦らが自然 の恵みを生かした家庭料理を提供する。
近辺の遊休農地を利用した貸し農園の整備や、ミカンの木オーナー制度の予約も進んでいる。

施設整備のための総事業費は1億1,000万円で、4分の1を地元が負担。
残りは国の農村漁村活性化プロジェクト支援交付金(5,500万円)や県、市の補 助でまかなう。
地元農家が協力して出資した施設の設立などは全国でも例が少なく、オープンを前に鹿児島県や大阪府などの自治体職員らが視察に訪れている。

現在はレストランのメニューづくりなど最終準備中で、料理部門責任者の主婦、黒田敏子さん(63)は「素人ばかりでどうなるかと心配でしたが、プロの手 を借りると農家レストランではなくなるとの声もあり、頑張りました。
地元の主婦16人がシェフになり、地場産品を中心にした料理を出していけそうです」と張り切っている。


産経新聞より

投稿者 trim : 2008年10月23日 09:53