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2009年02月20日

【エコシティー】 高知県安芸市

産地や賞味期限の偽装、異物の混入など様々な事件を契機に食の安全・安心志向が高まっている。

高知県は減農薬農法で生態系保全に配慮すると同時に、県産農産物の競争力を高める取り組みを続けている。

「昨年、初めてナスの苗の段階から『天敵』を導入した。農薬量はさらに減りました」。
高知県安芸市のハウスでナスを栽培する近藤康夫さんは、ピカピカのナスを手にしてほほ笑む。

栽培中の野菜をむしばむ害虫にも、「天敵」となる虫がいる。
その天敵を栽培ハウス内に飼うことで害虫を撃退し農薬使用量を減らす。
近藤さんは早くからこの手法を取り入れた一人で「昨年は一般的な農法に比べ農薬使用量を3分の1に減らせた」。


高知県では県と生産者らによって1990年代後半から安芸市や土佐市などで順次、導入が始まった。
害虫のアザミウマ類などを食べる天敵の虫は数種あり、天敵農法を取り入れた農家は約1,000戸、栽培面積は計250万平方㍍にのぼる。
ナス類で面積の約29%、ピーマン・シシトウ類では58%がこの農法で栽培されている。

「当県は食の安全・安心でナンバーワンを目指す。環境保全型農業でトップランナーになる」と尾崎正直知事は話し、生産・流通・販売の三位一体で磨きをかける構え。
農薬や化学肥料の使用をできるだけ減らし、環境にも配慮した環境保全型農法を農業振興の柱の一つに据える。

有機無農薬農業の実践者を育てようと、県は特定非営利活動法人と2006年から土佐自然塾(土佐町)も始めた
同塾の農法でつくった高知県産の農産物ブランドは、都会のデパートでも人気が高まっているという。


日経産業新聞(2009年1月7日水曜日)より

投稿者 trim : 2009年02月20日 11:27