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2009年03月06日

尼崎公害訴訟解決に前進

兵庫県尼崎市の国道43号沿線に住むぜんそく患者らが国などを相手に起こした尼崎公害訴訟の和解に基づき、国土交通省と阪神高速道路が4月から5号湾岸線の大型車の通行料金を3割引にすることが6日、分かった。

43号線とその上を走る3号神戸線の大型車を湾岸線に誘導して、大気への環境負荷を低減するのが目的。

神戸線との料金に格差を設ける「環境ロードプライシング」(ロープラ)実施は和解条項の大きな柱の1つで和解成立から9年、問題解決に向け、ようやく動き出した。
国交省は6日午後、原告らに説明する。


国交省関係者らによると、割引区間は天保山(大阪市港区)―六甲アイランド北(神戸市東灘区)で、自動料金収受システム(ETC)を利用する大型車が対象。

通常、大阪~神戸間を移動する際の通行料金は神戸、湾岸両線とも2,400円。
ロープラが導入されると、湾岸線は1,680円になり、神戸線より720円安くなる。
また平日夜間(午後10時~午前6時)、土日祝日(終日)に利用するとさらに2割引され、半額近くになる。

訴訟は平成12年12月、国側が43号線の交通規制やロープラを実施することで和解が成立。
しかし国側は、ロープラについては平成18年6~8月に通行料金を半額する社会実験を実施しただけで、実現には難色を示していた。

ところが国交省から交通規制についてシミュレーションの依頼を受けた警察庁が昨年7月、43号線でナンバープレートによる交通規制などを実施した場合、43号線からあふれる大型車の受け皿としてロープラによる湾岸線への誘導が必要―と国交省に回答。

また政府が地方圏の休日の高速道路料金を上限1,000円とするなどの景気対策に乗り出したことも、ロープラ導入にはずみをつけた。

今後、料金変更に必要な大阪、兵庫両府県議会と大阪、神戸、堺3市議会の承認を経て、正式に採用されることになる。

国交省関係者は「43号沿線の大気状況を改善する必要性は強く感じており、神戸線と43号線の大型車通行量の削減を実現したい」と話している。


産経新聞より

投稿者 trim : 2009年03月06日 15:24