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2009年07月28日

「エコドライブ」で経費削減

温室効果ガスの排出量を抑える省燃費運転「エコドライブ」が、トラック運送業界で注目を集めている。

経費を削減し、安全運転に結び付き、人にも地球にもやさしい。

環境の時代にハンドルを握るプロドライバーにとって、不可欠な運転技術になりつつある。


「ローギアでゆっくり発進しクラッチをつなぐと、アクセルを一度も踏まずに時速約30㌔に達する。これで燃料を5cc節約できる」。

宅配便最大手「ヤマト運輸」東京主管支店の安全指導長、島沢武宏さんがエコドライブを紹介する。

同社では約210人の安全指導長が年に1回、全国約6万人のドライバーに添乗し、直接エコドライブを指南している。


同社の集配車は冷蔵庫装備のためエンジンの回転数が高く、走行中でさえアクセルを踏む必要は少ないという。
島沢さんは「停車もフットブレーキを使わず、エンジンブレーキだけで緩やかに止まると、燃料を無駄に噴射しない。車間距離を取る癖もつき、運転も安全になる」と強調する。

同社は宅配1個当たり「二酸化炭素(CO2)排出量30%削減」を目標化。

排ガスや駐車違反の規制が厳しく交通渋滞の激しい大都市では、集配センターからリヤカーや台車を使い徒歩で配達している。

車を使わない究極の“エコ”。
島沢さんは「東京のドライバーは1日平均16㌔歩いて配達している」と話す。


神戸市の長距離運送会社「ダイワ運輸」は、保有するトラック約170台に運行記録装置、デジタルタコグラフ(デジタコ)を取り付けた。
距離や速度、エン ジン回転数のほか、急発進や加減速など、あらゆる走行データを自動記録する高機能装置だ。
衛星利用測位システム(GPS)を内蔵し、位置情報も一体化。
事務所のパソコンでデータ解析すると瞬時にグラフ化され、当日のドライバーの走行記録が画面上に一目瞭然(りょうぜん)に。

呉宣男常務は「運転手の一挙手一投足が分かるようになった。非効率な運転を減らす社員管理を徹底すると、燃費は15%延びた」と胸を張る。

タイムリーに安全運転を指導できるようになったという。
呉常務は「雑な運転をしたドライバーはその日、心の悩みや家庭のトラブルを抱えている。デジタコをチェックすれば相談相手になるきっかけとなり、事故防止につながると思う」と話している。


フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2009年07月28日 10:14