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2009年08月10日

ハイブリッド電車

JRグループの研究機関「鉄道総合技術研究所」(東京都国分寺市)は、次世代型車両として、水素を燃料にした「燃料電池」で走る「ハイブリッド電車」を開発し、ブレーキをかけた際に生じるエネルギーを蓄積したバッテリーと組み合わせることで、安定走行を可能にした。

燃料の安全性やバッテリーの耐久性などの研究を進め、実用化を目指す。

ハイブリッド電車は、水素と酸素を反応させたエネルギーを使用。
ブレーキをかけた際に生じるエネルギーはリチウムイオンバッテリーで蓄積し、「エネルギーのリサイクル」を行う。

反応に必要な酸素は空気中から取り込み、余分にできる水や窒素を車外に排出する。
国内の約4割を占めるディーゼル車両と比べ、「排ガスの心配もなく、クリーン」(山本貴光研究室長)だという。

既存の電車は架線から電気を取り入れて走行しているが、ハイブリッド電車は架線が不要。
山本室長は「停電や変電所の架線トラブルで立ち往生する心配もない」と説明する。

もともと鉄道総研では燃料電池の車両開発を進めてきた。
だが、燃料電池だけだと、1車両を動かすのが限界だった。
今回、新たにバッテリーとハイブリッド構成にすることで、格段に力が増したという。

今春から試験車両を走らせて実験し、480㌔㍗の電気を作ることに成功。
既存の電車は300~600㌔㍗の電気を使うとされるが、力は劣らない。
加速にも問題はなく、設計上は時速100㌔を出すことも可能だ。

試験した線路区では速度制限があり、時速45㌔までしか出せないが、この速度で安定して走行できることが今回確認された。

鉄道総研では平成19年11月~20年3月の間、札幌市交通局の協力を得て、市の路面電車区間で、「架線・バッテリー型」のハイブリッド電車の走行実験を実施
その結果、既存の車両と比べ10%の省エネ効果があったほか、マイナス10.9度の厳しい条件でも安定走行が確認された。


さまざまな可能性を秘めたハイブリッド電車だが、課題もある。

水素を使う燃料電池を車両に使うことへの安全性の検証や、「30年持つ」とされる既存車両との耐久比較の実験がまだ済んでいないことだ。

また1両1億円の車両相場に対し、ハイブリッド車両は燃料電池だけで1億円とされ、コストの問題もある。

山本室長は「エネルギーの効率化が叫ばれる中、10年、20年後に燃料電池が必要となり、その時に研究を始めたのでは遅い。時代のニーズに応えたい」と話している。


産経新聞より

投稿者 trim : 2009年08月10日 11:46