« 生物多様性日本アワード | メイン | 気軽に農体験「WWOOF」 »

2009年09月18日

プルタブから缶ごとへ

缶のふたを開けるつまみ「プルタブ」のリサイクル回収が広まる中、和歌山県田辺市内の小学校などではタブと缶が一体になっていることからアルミ缶自体の回収に移行する動きが出ている。

一方、地域に根付いた活動として、そのまま継続する学校もある。

アルミ缶リサイクル協会によると、約20年前まではタブが缶から取り外すようになっていたため、ごみとして散乱することが多かった。
生物が誤ってのんだり、海岸に落ちていてけがをしたりするといった問題もあり、各地でタブ回収の運動が盛んになった。

しかし、製造段階での改良により現在のタブは散乱することがなく、タブ約40個分でアルミ缶1個分と同じ重量のため、換金目的なら缶ごと集めた方が効率が良い。
タブだけではリサイクル工程でも管理が難しいため、協会でも缶ごとの回収を勧めているという。

田辺市上の山の田辺第三小学校は一昨年から、アルミ缶ごとの回収に切り替えた。
以前はタブとアルミ缶を分別していたが、タブを外そうとする時にけがをする恐れもあり、缶ごと集めることに決めた。

タブと違って缶を集める場合は、長期保管するために衛生的に内部を水洗いする必要があるが、同校によると、アルミ缶はほとんどの人が洗って持って来ており、学校で洗う手間はないという。

ただ、タブ回収が定着していたため、いまもタブを外して持ってきてくれる人もいるという。
同校は「アルミ缶への移行は協力してくれる人のマナーが必要。皆でより良い形のリサイクルができるようにしていきたい」と話す。
アルミ缶は換金し、車いすを買う予定にしている。

タブとアルミ缶を集めている田辺市芳養松原の芳養小学校でも今後、タブはアルミ缶から外す必要がないことを呼び掛けていく。

田辺市あけぼのの田辺工業高校では、2003年から始めたタブの回収活動が地域に定着しており、平均して約1カ月で約60キロ入るドラム缶2、3本分が集まるという。
缶自体を集めた方が効率が良いという声もあるが、地域とつながり合いながら活動することを目的にしているため、いまの取り組みを大事にしている。
タブは車いすに交換し、市社会福祉協議会などに贈っている。

田辺工業高校にタブを届けている田辺市新庄町の新庄第二小学校は、アルミ缶とタブの両方を集めている。
リサイクルするだけでなく、タブ回収を通じて田辺工業生との交流も深まっている。
児童が市民の一人として、身近な所で役立てることを学ぶ機会にもなるという。


紀伊民報より

投稿者 trim : 2009年09月18日 17:15