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2010年02月02日

川崎火力の蒸気を10工場に供給

東京電力は1日、川崎火力発電所(神奈川県川崎市)1号系列からでた蒸気を再利用し、周辺の10工場向けに供給を開始した。

東電と日本触媒、旭化成ケミカルズが共同で設立した蒸気供給の運営会社「川崎スチームネット」を通じて行う。

東電の高効率発電を実現した川崎火力発電所1号系列からでた大量の蒸気は従来、空気中に放出されていた。
これを有効活用し、川崎市千鳥、夜光地区コンビナート内の10社の工場に蒸気を供給する。


今後15年以上、年間約30㌧の蒸気を配管を通じて提供する。
発電所の未利用の蒸気を活用する事例では日本で最大級の規模になる。

コンビナート内の各工場はそれぞれ、ガスや重油を使ったボイラーで蒸気を作り、原料の加熱などに利用していたが、東京電力からの蒸気に切り替えることで、年間で約11,000㌔㍑(原油換算)の省エネとCO2排出量を約25,000㌧削減できる。

一般家庭分に換算すると約9,300世帯分の年間エネルギー消費量と、4,600世帯分の年間CO2排出量に相当する規模になる。


3社は2006年に工場用の蒸気供給を手がける「川崎スチームネット」を設立。
資本金は1億6,000万円で、東京電力が91.1%、日本触媒が7.4%、旭化成ケミカルズが1.5%を出資している。

昨年2月に稼働した東電の川崎火力発電所の1号系列は、燃焼温度を1,500度に向上させたコンバインドサイクル発電で、世界最高水準の59%の熱効率を実現した。
従来型の火力に比べて燃料の使用量とCO2排出量を約25%削減を実現し、同発電所からでる蒸気を工場向けに活用することで地球環境対策に貢献する。


フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2010年02月02日 10:46