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2010年10月22日

大敵「クラゲ」の退治システム開発

夏場を中心に大量発生して、発電プラントの冷却用海水を取り込む際の障害となる厄介者のミズクラゲを効率的に除去処理する「クラゲ洋上処理システム」を、東北電力が東新潟火力発電所(新潟県聖籠町)で開発・実用化し、国内はもとより海外からも注目されている。

このシステムは、ミズクラゲを狭いスペースに大量に集めると、やがて元気をなくして動かなくなり、自己溶解酵素のコラゲナーゼを分泌して5日ほどで自然消滅する特性を利用した。

同発電所で平成16年度から開発を進め、クラゲをポンプで吸い上げて網で囲んだ10㍍四方の洋上貯留槽に送り込む仕組みを完成。


今年度から本格的に実用化したところ、80~90%の捕獲率でクラゲを除去でき、取水口まで流れ着いて引き揚げ、産業廃棄物として処理しなければならないクラゲは従来の年約300㌧から40㌧に減って、約2,000万円のコスト削減につながった。
環境への悪影響もなかったという。

発電所ではクラゲの大量発生で冷却用海水の取入口がふさがり、発電効率が低下することがある。
このため、クラゲの除去処理が必要になるが、手間やコストがかかるうえに、引き揚げたクラゲが腐って悪臭を発するなどの問題があった。

東北電力は同システムを特許出願中だが、すでに同じ問題に悩む関西電力が美浜原子力発電所(福井県)に導入、全国の発電所などに広がる見通し。
さらに、韓国からも技術の引き合いがあるとか。

循環型社会の形成を推進する「リデュース・リユース・リサイクル推進協議会」は、こうした成果を評価、22年度の3R推進功労者等表彰で同システムを「経産大臣賞」に選定した。


産経新聞より

投稿者 trim : 2010年10月22日 21:57