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2011年04月16日

古い紙幣、現金袋に

紙製品製造の横田(静岡県焼津市)は、古い用済み紙幣を現金袋などに再資源化する事業を始めた。

細かく裁断した紙幣のリサイクル業務を日本銀行の静岡、神戸、福岡の3支店から受託し、4月から焼津市の専用工場を稼働させた。

これを機に、これまで焼却処分が多かった紙幣の有効活用を促し、金融機関の資源循環活動を後押ししたい考えだ。


寿命を過ぎた紙幣は1年間に約3,000㌧発生し、その半分が住宅用建材や固形燃料などにリサイクルされている。
残りは焼却処分に回っており、焼却時に発生する二酸化炭素(CO2)の削減対策と資源循環の両面から再資源化が求められていた。
それらを踏まえて日銀各支店は、競争入札を通じて横田に今回のリサイクル業務を委託した。

業務を受託する新工場は、約1億2,000万円を投じて建設し3月に完成した。
敷地面積は約640平方㍍。
裁断済み紙幣の年間処理能力は約600㌧だ。

当面は、日銀各支店から年に約300㌧分の処理を受託。
年間売上高は約3億5,000万円を見込む。
「将来的には5倍となる1,500㌧を受託したい」(大森常男専務)考えだ。

紙幣は破れにくくするため、天然繊維の中で最も硬い「マニラ麻」が原料に使われている。
このため、再資源化に必要な「繊維質を取り出す作業」が難しかった。

同社は、こうした課題を解決できる再資源化技術を開発した。
具体的には、まず、裁断くずに水を練り込み「紙粘土」のようにする。
次に、他の古紙を混ぜ合わせ、紙袋に利用できるパルプ(紙原料)に仕上げる。
さらに、紙幣のインクを落とさずに再生できるため、インクによる汚染水の発生がない。

同社は、再生原料で現金自動預払機(ATM)用現金袋を製造し、環境対策に熱心な全国の銀行や信用金庫などに売り込んでいく。
加えて、事務用封筒としての用途も開拓し、証券会社や一般企業にも紙幣リサイクルの輪を広めたい考えだ。

フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2011年04月16日 17:53