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2011年09月01日

大山崎・聴竹居

昭和初期の名建築で「エコ住宅の先駆け」とされる京都府大山崎町大山崎の聴竹居(ちょうちくきょ)で、外からの風を屋内に取り入れる導風管「クールチューブ」がこのほど改修された。

天王山に吹く風が居間に導かれ、残暑が続く中、ひとときの涼を感じさせている。

管理団体は「節電が求められる折、自然の力を生かした冷房設備の先進性を多くの人に知ってほしい」としている。

聴竹居は京都帝国大教授を務めた建築家の藤井厚二(1888~1938)が、1928年に天王山のふもとに建てた和洋折衷の実験住宅。

クールチューブは長さ十数メートルで、地中部分は土管、屋内部分は木製となっている。
庭先の谷に面した取り込み口から風が入り、地中を通る間に冷やされ、居間の床下近くから噴き出す仕組みだ。

建築から80年余りたち、チューブの側面や底面に張られた板が老朽化で外れたため、取り換えた。
取り込み口に詰まった土や落ち葉も取り除いた。
改修後は風通しが良くなり、見学に訪れた人が室内外の温度差を体感している。
地元住民でつくる管理団体「聴竹居?楽部(くらぶ)」は、自然エネルギーで部屋を涼しくするクールチューブの意義をあらためて考えようと、今秋、聴竹居で環境工学の専門家を招いた講演会を計画している。

聴竹居ではさらに、縁側に長いひさしがあり、戸にはすりガラスがはめられている。
縁側のそばに落葉樹も植えられ、それぞれ日差しを和らげる。
聴竹居?楽部の荻野和雄事務局長(67)は「節電の夏に多くの人に訪れ、エコに涼しく過ごすためのさまざまな工夫を見てもらいたい」と話す。

見学は事前予約制で「聴竹居」と題したホームページから申し込む。

京都新聞より

投稿者 trim : 2011年09月01日 16:38