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2011年11月02日

宮古の震災がれきを搬出

東日本大震災で発生した岩手、宮城両県の災害廃棄物(がれき)を東北以外では初めて受け入れる東京都。

第1便約30トンが2日、岩手県宮古市を貨物列車で出発、都内に3日朝に到着する。

復旧・復興を阻むがれきの処理という被災地のニーズに直結した取り組みが円滑に進むかどうかが、広域処理への試金石となる。


2日午前7時40分過ぎ、業者らが重機を操り、宮古市内の仮置き場にあるがれきの仕分けを始めた。
コンテナに積まれたがれきは、放射線量を測って密封され、トラックで盛岡市のJR貨物ターミナル駅に出発した。
宮古市の山本正徳市長は「都の協力に感謝している」と語った。

受け入れを決断した石原慎太郎都知事は「持ちつ持たれつで被災地を救うべきだ」と強調する。
細野豪志環境相も都の支援を「被災地の痛みを日本全体で受け止める大きな一歩」と話しており、大量のがれき処理には広域処理が不可欠だ。

原則で県内処理となった福島県を除き、がれきは宮城県で約1,820万トン、岩手県で約435万トンと推計される。
両県とも通常の処理能力と比べれば10~20年分だ。
都は9月、岩手県と協定を締結。
11月中に1千トン、年度内に計1万1千トンを受け入れる。

受け入れたがれきのうち、可燃物は一般ごみとともに焼却。
焼却灰と不燃物は東京湾内の中央防波堤に埋められる。


都民らの反応は複雑だ。

都が受け入れを発表した9月28日から10月31日までに寄せられた意見計2,510件には賛成も約200件あったが、大半の約2,100件は「子供の健康が心配」「東京電力で処理させるべきだ」と、放射性物質を懸念して反対する声だった。
都の担当者名を示して抗議を誘うネット上の書き込みもあったという。

また、岩手県の被災松を京都の「五山送り火」で使う計画がセシウム検出で断念。
愛知県日進市では福島県産花火の打ち上げが中止されるなど、支援の思いと不安のはざまで、“風評被害”も相次いだ。

川崎市でも阿部孝夫市長が4月、福島を訪問し協力を申し出たが、苦情が相次ぎ実現していない。
10月の会見では都の動きを「全国に受け入れが広がる第一歩となることを願っている」と述べるにとどまった。

今回処理されるがれきは、都内での処理と同様に一般ごみに約3割まぜて焼却した場合、灰の放射性セシウムは、1キロ当たり133ベクレル。
国が示す基準(8千ベクレル)を大幅に下回り、都内の清掃工場の焼却灰の平均値約3千ベクレルよりも低い。

宮古市の仮置き場では職員が常駐し、空間放射線量などを測定。
基準値を超えたがれきは搬出せず、輸送には気密性のあるコンテナを使う。

都内の破砕・焼却処理業者は集塵(しゅうじん)力の高いフィルターを備えた業者を選んでおり、焼却灰も測定するほか、焼却施設周辺では週1回、線量を測る。

都は「ホームページに掲載するなどできる限り速やかに公表する」として、放射性物質が拡散していない状況を細やかに伝えて住民の理解を求める考えだ。

破砕処理を行う都内の業者は現地を下見した際の感想を「がれきには建築物の残骸に、服や畳、カーテンなど生活の跡が生々しく交じっていた」と明かした上で、「社会的協力になれば、と手を挙げた。着実に処理して復興を支援したい」と語った。


産経新聞より

投稿者 trim : 2011年11月02日 22:35