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2012年01月18日

「江戸っ子1号」未知の深海へ

下町の町工場が共同で無人探査機「江戸っ子1号」を開発し、水深8千メートルの日本海溝を目指すプロジェクトが始動し、17日、東京都墨田区両国の東京東信用金庫本部で調印式が行われた。

深海に商機があるとみて、民間、それも中小企業が探査製品を開発するのは、世界に例がないという。

開発するのは「江戸っ子1号プロジェクト推進委員会」(委員長・杉野行雄杉野ゴム化学工業所社長)。

葛飾、墨田、大田区などの4社がゴム、通信、撮影、充電の得意分野でそれぞれ知恵を絞り、海洋研究開発機構、芝浦工大、東京海洋大が支援する。
調印式で、海洋大の松山優治学長は「海洋を研究してきた者として、開発は感無量。深海は各国とも未着手。江戸っ子1号で市場を切り開こう」と語り、4人の社長は深くうなずいた。

きっかけは、大阪の中小企業が開発した小型衛星「まいど1号」のニュース。
刺激を受けた杉野社長が「東京は海底へ行こう」と呼びかけ、東京東信金が取引先などに声をかけた。
海は10メートル深くなるごとに水圧が1気圧増す。
水深8千メートルでは800気圧にもなり、高圧に耐える技術が必要だ。

平成24年度中に試験潜水し、希少金属(レアメタル)など鉱物資源が豊富だといわれる海底で泥、微生物を採取するほか、「脊椎(せきつい)動物生息の世界最深記録、7,700メートルより深い海で新種を発見したい」と意気込む。

開発費は約2千万円。
当初は1億円の試算の壁にぶつかったが、高価なチタン製ではなく耐圧ガラス製へ変更することで、費用をぐっと抑えた。
海に恵まれた日本は近海に深海があり、小型船で行くことができるため、専用母船も持たない。

杉野委員長は「不景気のこんな時勢だからこそ腕を磨き、日本のモノ作りの技術を生かして、未知の深海探査に夢を賭けたい」と抱負を語った。

産経新聞より

投稿者 trim : 2012年01月18日 15:53