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2012年02月14日

BDF復旧作業サポート

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市で、使用済みの食用油から作るバイオディーゼル燃料(BDF)を使った取り組みが広がっている。

原料は仮設商店街で調達し、重機やトラックが軽油の代わりに使用、被災地復旧に向け活躍している。

軽油より安く販売。「被災地の企業の財布にも環境にも優しい」と、関係者に歓迎されている。

同市で精密部品の製造販売をしている「マシンパーツ精密工業」がことし1月、BDFの製造を始めた。

同市を流れる大川河口から約1.5キロの川沿いにあった同社は、震災の津波で全壊。
震災後は高台にあった柏木友浩社長(39)の自宅で、業務再開を急いだ。
当時、被災地では燃料不足が深刻で「自前で用意できないか」と考えたという。

BDFはディーゼル車に使い、燃費や走行性は軽油とほぼ同じ。
植物油が主な原料のため、化石燃料よりも発生する二酸化炭素を削減できる。
黒鉛や硫黄酸化物の排出量も少ないなどのメリットがある。

現在、仮設商店街や飲食店、コンビニエンスストアなどから使用済み食用油を回収。
1日約100リットルのBDFを製造している。
軽油の市販価格より1割程度安い値段で、建設業者や産廃処理業者に販売する。

同市南町の仮設商店街に入居するコロッケ店では、1週間で約20リットルの廃油が出る。
店主坂本京子さん(52)は「油の引き取り業者が被災し、処理に困っていた。非常に助かる」と喜ぶ。

被災家屋の解体、がれき撤去を手掛ける松田建設(同市)は、重機とトラック計9台でBDFを使用。
松田孝社長(38)は「価格も安く環境にもいい。すぐに協力することにした」と言う。

柏木社長は「BDFの活用で、被災企業の財布にも地域の環境にも優しい復興が進められる」と話す。

河北新報より

投稿者 trim : 2012年02月14日 10:47