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2012年04月23日

「ハイブリッド」な対策

停止した原発の再開についてメドがたたず、電気料金の値上げが発表され、改めて「住まい」の節電や省エネ対策が、強く意識されるようになってきた。

一時期は「家庭で使うエネルギーを全て電気でまかなう住まい」として「オール電化」が、「エコ」で「家計にもやさしい」仕組みとして人気があった。

しかし、昨年の「計画停電」を経験した関東地区を中心に、「オール電化」の見直し機運が高まっている。

「オール電化の次の家庭エネルギーシステム」ともいわれている「電気」と「ガス」のハイブリッドな暮らしを提案する「ECO ONE」は、「2011年以降、問い合わせが急増している」(リンナイ)という。
これからの家庭のエネルギーについて、どのように考えればよいのだろう?

「エコ」で「家計にもやさしい」仕組みとして人気があった「オール電化」は「キッチン」「冷暖房」「給湯」の全てを電気で行う仕組みである。
しかし、そもそも電力不足が問題になっている時に電力を幅広く使うという「オール電化」の仕組みに無理がでてきた。

例えば、電気は発電所から家庭まで電気を送っている間にエネルギーのロスが生じるというデメリットもある。
一方、ガスは家庭までガスを送る間のロスがないので、ガスコンロを使うことによって、一次エネルギー消費量を試算した場合、IHヒーターの約1.6倍エネルギー効率が良い。

ただし、電気も使い方によっては効率化できる。
送電ロスが多い電力も空気熱をエネルギーに変える際に「消費するエネルギーよりも取り出せる熱エネルギーを大きくして冷暖房に活用するヒートポンプ技術」を用いることが注目されている。
ヒートポンプによってエネルギーを増大させることができれば、送電ロスを補完できる効率的なエネルギー利用になるという考え方だ。

前述の計画停電等によって、ひとつのエネルギーに依存することの危なさが意識される中、一般家庭でも多様なエネルギーのなかから最適な組み合わせを選ぶことができないか。
そこで開発されたのが、「電気」と「ガス」のいいところを効率よく組み合わせたハイブリッド給湯器「ECO ONE」だ。

リンナイでは、「2010年4月に『ECO ONE』を発売した当初は、ガスと電気を組み合わせてお湯を作るという世界初の製品でしたので、理解をしていただくまでに少し時間を要しましたが、2011年に入り問い合わせが激増しました。これまでに約6,000台の販売実績がありますが、今後は一段と伸びると見込んでいます。4月新発売の新モデルは、住宅事業建築主の判断基準(トップランナー基準)における特定の地域の場合、一次エネルギー効率125%を達成し、CO2排出量は従来のガス給湯器と比べ約50%削減できます。また、石油給湯機や電気温水器と比べて年間2万円のコストダウンにもなります」と、節電・省エネの切り札的な存在として、一層の利用拡大が見込まれると期待している。
「7月には、給湯に加え暖房のハイブリッド化も実現した新モデルも投入される予定」という。

リンナイでは「『ECO ONE』を軸に、省エネで快適、家計にも優しいハイブリッドな暮らしを提案していきたい」としている。
今年の夏も、日本全国で節電を求められることが想定される。
家庭で使うエネルギーの効率化について改めて考えていきたいところだ。
【風間浩】

サーチナより

投稿者 trim : 2012年04月23日 18:29