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2012年11月26日

「アップサイクルブロック」

大林組は震災復興促進のため、先端建設技術センター、鹿島建設、熊谷組、清水建設、大林建設と共同で「アップサイクルブロック」を開発した。

同製品は、災害廃棄物の残さをセメントと混合してブロック化するもの。

防潮堤や防潮林、避難高台などの盛土材料として有効活用する。


混合する残さは、コンクリート殻、木材、ゴム、金属類、プラスチック、土石、瓦などからなり、粒径は150ミリ以下のもの。
重金属類、放射性物質を含んだものは使用しない。
選別工程等を経て150ミリ以下になった残さをミキサーに入れ、セメントと練り混ぜる。
配合は、がれき1トンに対しセメントペーストは250リットル。
その後型枠に流し込み、バイブレーターを用いて振動締固めを行なう。
ここまで要する時間は数分。
その後36時間の養生を経て盛土用のアップサイクルブロックができる。
サイズは750×750×850ミリ。
コア採取して計測した一軸圧縮強度は30個平均で3.31Nミリ平方メートルとなる。

重金属などは含有していないことが前提だが、混入の可能性もあるため、環境省告示46号試験の重金属全9項目を行い、土壌環境基準を満たすという結果を得た。

溶出基準のおよそ10倍の重金属をがれきに加えた「模擬汚染がれき」を用いたブロックでも試験を行った。
鉛のみ土壌基準をわずかに上回る結果となり、現在キレート剤の添加などで溶出をさらに抑える方策を検証している。

同製品は、残さをそのままセメントと混合し、ブロックにするというシンプルな工程が特徴。
大林組の技術第一課課長の森田晃司氏は、「簡易なプラントでも迅速に生産できることを意識した」と話す。
11月15日、宮城県亘理町の亘理処理地区で同製品の現場見学会が行なわれた。

循環経済新聞より

投稿者 trim : 2012年11月26日 11:16