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2012年12月30日

津波石

東日本大震災の津波で宮城県気仙沼市唐桑町の海岸に打ち上げられたとみられる岩が地元で話題になっている。

大きいものは高さ、幅とも5メートルを超え、住民らは「津波石」と呼んでいる。

これだけ大きな岩が漂着するのは珍しく、「自然の津波モニュメント」として保存を目指す動きもある。

岩があるのは、唐桑町崎浜の唐桑半島ビジターセンターから1キロほど北側にある神の倉尻浜。

東北地方環境事務所大船渡自然保護官事務所(岩手県大船渡市)によると、震災前にはなかった岩が四つあることが確認された。

中には表面に白っぽい石灰藻や貝類が付着した岩もあり、もともと海底にあった可能性をうかがわせる。

震災翌日に現場を訪れた男性(73)が、震災前にはなかった巨大岩石を見つけた。
男性は「浜の風景がすっかり変わっていたのでびっくりした。こんなに大きな岩を動かすなんて、津波の威力はすごい」と語る。

一帯は、東北地方の太平洋沿岸の自然公園を再編する「三陸復興国立公園」構想の対象エリア。
構想を策定している環境省は、震災の教訓を後世に伝えるため、「津波石」の保存を検討しているという。

唐桑町観光協会(気仙沼市)も「津波石」に注目し、防災教育などへの活用を検討している。
協会のホームページに写真を掲載してPRする計画もある。

協会の小松勇次事務局長は「津波の威力を目で確認し、手で触れることができる資料として貴重だ。
被災した現場周辺に歩道を整備してもらい、多くの人々に見に来てほしい」と話している。


河北新報より

投稿者 trim : 2012年12月30日 18:06