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2013年01月25日

広島の折り鶴、再利用

広島市中区の平和記念公園に建つ「原爆の子の像」に、国内外から毎年寄せられる折り鶴の再利用で、徳島県阿南市の古紙再生業、日誠産業(平尾昭一郎社長)が1年分に相当する約10トンを引き取り、商品化への取り組みを始めた。

原爆で白血病になり、12歳で死去した佐々木禎子さんをモデルに昭和33年、同級生たちの募金活動で建てられた像。

佐々木さんが健康回復を祈って鶴を折ったエピソードにちなみ、訪れた修学旅行生らが千羽鶴を手向ける。

集まる量は年間約10トン(1千万羽)以上。
大量の折り鶴の処置をめぐって、市は平成23年、長期保存ではなく再利用する方針を打ち出し、団体や個人に譲渡するようになった。

日誠産業は1年分に相当する約10トンを引き取った。
牛乳パックの再利用で確立した独自技術を応用できるからだ。
だが、折り鶴は牛乳パックに比べ色がパルプに残るなど、紙原料としては質がよくない。
まずは採算ベースに乗せることが課題となっている。

同社開発部の島大樹部長は「今は地道にPR活動をしている。
折り鶴再利用のためには、企業でうまく回る仕組みを作らなければ」と話す。
デザイナーや企業 と協力し、世界の平和記念博物館のような施設で販売されるポストカードなどのグッズや、アルバムのように捨てられない紙製品のアイデアが出ているという。

「『広島の折り鶴だから買ってください』ではなく、本当に欲しいものを買ったらそれが折り鶴でできていた、というような商品にしたい」と同社は意気込んでいる。

産経新聞より

投稿者 trim : 2013年01月25日 14:11