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2013年02月06日

富士山地下水で省エネ

静岡県は2013年度から、富士山の地下水に採熱管を投入する新型の熱交換システムの実証実験に乗り出す。

富士山周辺にある井戸から夏に冷たく、冬に温かい地下水を活用した冷暖房の省エネ効果を体験してもらい、エネルギーの地産地消や温室効果ガス排出の削減などにつなげる狙いがある。

地下水をくみ上げない採熱管方式は、県内で初の試みだという。


県環境政策課によると、県内の富士山の地下水は、季節を通して水温が15度と安定している。
県は富士山周辺の二つの井戸に新型熱交換システムを設置する予定。

同システムでは、不凍液が電動で循環する採熱管を井戸の中に投入する。
冷房を稼働する夏で地下水の冷たさを、暖房を稼働する冬で地下水の温かさを活用。
ヒートポンプの熱交換器に通すことで、地下水を利用しない場合に比べ、冷暖房機の熱効率を大幅に上げる仕組みだ。

地下水は井戸の下で流れており、今回の実証実験では、採熱管の効率が最も高くなる地下水流の速度を調べたり、採熱管の素材などを検証したりする。
同システムに適した井戸を調査し地図も作製していく。

同システムが普及すれば、地下水の熱交換により消費電力を下げ、地球温暖化の原因となる温室効果ガス(CO2)の排出を減らし、年間の電気代も約半分に削減できる見通しで、省エネ効果が高いとしている。

富士山周辺には約1800個の井戸がある。
多くが工業用水をくみ上げるためのもので、新型の熱交換システムを導入する基盤が整っている企業は多い。
地下水をくみ上げずに済むため、地盤沈下につながる恐れはなく、「環境に優しいのも利点」だ。

同課は「多くの企業が既に井戸を持っているため、新たな掘削費用がかからない。地下水熱利用の促進を働きかけていきたい」と話している。
【山本佳孝】

毎日新聞より

投稿者 trim : 2013年02月06日 11:02