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2013年09月04日

「オカザえもん」軍手

愛知環状鉄道・北岡崎駅近くの作業服・ユニホーム・工具販売の「ハチスカ」(岡崎市葵町、TEL 0564-21-0166)が9月3日、「オカザえもん軍手」の販売を始めた。

企画販売は「岡崎繊維青年クラブ」(美合町、岡崎市総合検査センター内)。

同社常務の蜂須賀大さんと繊維商社高田商事の高田正男さんが中心となって企画し発売にこぎ着けた。
2人は「中部反毛工業協同組合」の若手経営者が集まる岡崎繊維青年クラブに所属する。

蜂須賀さんは「6月に当クラブ有志と青山周平衆議院議員、吉口二郎岡崎市議会議員を囲み食事会を開いたとき、人気の『オカザえもん』を活用して岡崎が反毛・繊維の町であることをもっとPRしようということになり軍手を作るアイデアが出た」と振り返る。

「反毛(はんもう)」とは繊維品の端切れや古着などを細かく断裁して綿(わた)の状態に戻すこと。
その綿から繊維を撚(よ)り出して糸にする。
「かつて岡崎は繊維産業が盛んで、反毛糸も日本有数の生産量だった」と高田さん。
「反毛でリサイクル生産される糸から、軍手やフェルト芯などが主に製造される。今ではコスト面からほとんどが中国産になってしまった」

「ただ売るために安くするなら中国製でもいい。岡崎が、繊維産業が盛んな町であること、反毛という布のリサイクル産業も盛んだったことを多くの人に知ってもらいたい」と蜂須賀さん。

「岡崎市内の工場からポリエステル生地の端切れやくずを回収し、クラブ内企業の中国工場に輸送。反毛糸を加工製造して岡崎に送り戻す。また別の手袋を製 造できる企業に運び入れ軍手を縫製。『オカザえもん』の顔をプリントするために次の企業に運びプリントをしてもらい、高田商事で袋詰めしてハチスカに納品する」と高田さん。

軍手を編むための反毛糸を作る機械は空気紡績と特殊紡績の2種類があるといい、「手触りのいい特殊紡績を採用した」と蜂須賀さん。
主流となっているのは、細い穴から掃除機の要領で空気と一緒に綿を吸い込むことで糸にする空気紡績方式。
技術は不要でスイッチ一つで操作できるという。
「特殊紡績は、綿から繊維の端を引き出して、ねじりながら糸状にしていく。機械操作には熟練が必要だが、出来上がる反毛糸は空気紡績と比べて触り心地がいい」

「着け心地にもこだわり、軍手の手首の端も熱着糸で糸がほつれないようにした。強度はやや弱くなるが、締め付ける力はソフトになる」とも。
「量産品はミシンでかがり縫いするオーバーロック方式だが、締め付けがきつくなる」と蜂須賀さん。

地産地消にこだわり着け心地も重視した結果、販売価格は1双500円に。
「軍手としては高いものになったが、『メード・イン岡崎』として自慢できる軍手になった。『岡崎の特産品は何ですか』と聞かれたときに、この軍手を見てもらい繊維の町・反毛の町だと話せば伝わりやすい」

モデルは1タイプのみで、サイズは22センチ。
「通常は男性向けの23センチ品が多いが、『オカザえもん』ファンは女性が多いと見込んで少し小ぶりにした」と高田さん。
手首のほつれ止め糸は黒。
「オカザえもん」の顔は左右反転になっている。
素材はポリエステル100%。「ナイロンやレーヨンより真っ白になる。軍手ではあるが岡崎土産に特産品の手袋を買うと思ってもらえれば」とも。

同店のほか、岡崎公園の観光みやげ店と道の駅藤川宿、名鉄東岡崎駅構内でも販売する予定。

ハチスカの営業時間は、月曜~金曜=8時~20時、日曜・祝日=10時~19時。
木曜定休。

岡崎経済新聞より

投稿者 trim : 2013年09月04日 10:34