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2014年01月15日

貝殻・間伐材使いCO2

マネキン製造大手のヤマトマネキン(東京・江東、柴田兼悟社長)は貝殻や間伐材など未利用のバイオマス(生物資源)を原料に活用したマネキンを開発した。

一般的な原料であるプラスチックの使用を減らし、二酸化炭素(CO2)排出を抑制できる。

廃棄時は粉砕して固形燃料として再生する。


環境に優しい製品として百貨店や衣料品店に採用を呼び掛ける。

マネキンは溶かしたプラスチックを機械で型に流し込む製法と、職人が一体ずつ手作りする方法がある。
開発した製品は、いずれも原料のプラスチックに粉状にしたバイオマスを混ぜて製造する。

間伐材で37%、貝殻で51%を混入する。
間伐材は木の色が本体に着色するが、貝殻は白色になり通常の製品と見た目は変わらない。
バイオマスを使っても強度を保っており、特許を取得した。
間伐材は成長時にCO2を吸収したとみなし、混入した分だけ排出量を減らせる。
貝殻もプラスチックより製造時のCO2量は少なくて済む。

バイオマス以外の原料も燃焼時にダイオキシンを発生しないプラスチックを使用した。
廃棄時はペレット状に砕き、固形燃料として利用できる。
繊維強化プラスチック(FRP)を使う一般のマネキンはリサイクルが難しく、ほとんどが埋め立て処分されている。

バイオマス原料の購入費や加工費がかさむため製造コストは通常に比べ2~3割高い。
マネキンの流通は売却とリースがあるが競争が激しく、料金への転嫁は難しい。
料金を据え置きながら環境配慮の付加価値を加えることでシェアの拡大を狙う。
既に三越伊勢丹ホールディングスやイオンに採用された実績がある。

今後、機械で製造するマネキンはバイオマスの利用を原則とし、年間約3,000体の生産を計画する。
売却とリースで年約4,000万円の売り上げを目指す。

ヤマトマネキンは1947年に創業したマネキン製造の老舗。
マネキンの国内市場は縮小しており、現在は店舗の設計や内装デザインを主力とする。
2013年2月期の売上高は約40億円。

日経産業新聞より

投稿者 trim : 2014年01月15日 14:10