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2014年02月10日

「はやぶさ」の電力制御


宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、小惑星探査機「はやぶさ」で活用された電力制御システムを応用し、そのときの電力消費量に応じて、家電機 器間の電力を動的に割り当てる家庭向けの制御システムと装置の試作品を、東京都内で行われた「地球環境とエネルギーの調和展 ENEX2014」で発表した。

「はやぶさ」では、限られた電力の中、イオンエンジンに安定した電力を供給するため、大量の電力を消費する多数のヒータースイッチをそれぞれ連携させ、電源をまとめてつけず、優先順位を付けてオン、オフすることで電力のピークを抑制し、使用電力を一定に近づける制御システムが採用されている。

今回、同システムを家庭向けに応用し、照明やエアコン、テレビ、ドライヤーなど、家庭内で使用する家電機器の基盤につけるモジュールと、同モジュールが 内蔵されている電力メーターと家電機器を連携させることで、家庭内の電力使用量をコントロールして、設定した電力量に達しないように家電機器に電力を自動的に割り当てられる。

例えば、照明、エアコン、ドライヤーを同時に動かすといった過剰に電力を使用するケースで、家庭内で使える電力の上限値に使用電力が近づいたとき、それぞれの機器を稼働させながら自動的に照明の明るさを暗くしたり、エアコンの温度を調整して消費電力を抑制する。
ドライヤーの電源を切ると、再び元の照明の明るさや、元のエアコンの温度に戻るなど、機器電源のオン、オフではなく、そのときの状況に応じて柔軟性を持って電力を割り当てて制御できる。

機器間の連携は電力線を使って行われ、割り当てに対する機器の優先度も設定可能。
同システムは家庭内だけでなく、オフィスなどやビルのフロア間、ビル間などの電力制御にも対応できるという。

JAXAの川口淳一郎シニアフェローは「宇宙でやっていたことが、このように地球で役に立つことを伝えたかった。この装置を導入することで省エネ、エコにつながる。家庭とかオフィスで使うことを想定しており、広くこのような装置が使われてほしい」と話していた。

毎日新聞より

投稿者 trim : 2014年02月10日 15:16