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2014年03月13日

雨水活用の融雪システム

雨水を循環させて屋根の雪を溶かす産学共同の実証試験が今冬、山形県寒河江市西根で行われ、雨水の温度を5度以上に保てば融雪に活用できるとのデータが得られた。

試験に取り組んだのは中央大理工学部水理研究室の山田正教授と、環境システム開発のアースフロンティア(群馬県館林市、高橋進社長)。

降雪地でのデータを得るために寒河江市を実験場所として選んだ。


融雪実験システムの屋根は保温力に優れた瓦ぶきで、面積は約8平方メートル。
タンク(2トン)にためた雨水を屋根の最頂部に取り付けたノズルから噴射して雪を溶かし、屋根への着雪を防ぐ。
屋根を流れた水は、目詰まり防止用の特殊フィルターを備えた軒樋(のきどい)を通って再びタンクに戻り、雨水を循環して利用できる仕組み。
タンクには、水温を上げるためのガスボイラーを備え付けた。

屋根の最頂部には密閉された多目的中空棟を設置。
この中に雨水が通るパイプを入れることで冬季の凍結を防止できるという。

試験は12月末から3月上旬まで実施し、散水は温度や水圧を変えながら約1カ月行った。
融雪実験システムは定期的な散水で屋根への着雪を防ぐことが基本となるが、積雪状態からの融雪試験も実施。
約20センチの積雪があった2月8日夜は水温15度の雨水をまき、約2時間で雪が消えた。

同社は今後、自動運転システムの開発やコストダウンの研究を重ねて実用化の道を探っていく。

山形新聞より

投稿者 trim : 2014年03月13日 10:49