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2014年04月18日

傷んだボールを再活用

大阪ガスの硬式野球部が、傷んだボールを地元の福祉作業所で修繕してもらい、高校の野球部に寄贈する「ハートボールプロジェクト」が広がりをみせている。

昨年4月に始めてから、1年間で寄贈したボールは千個に到達。今年から参加する作業所も増える見込みだ。

東日本大震災の被災地の社会人野球チームと協力し、被災地の高校球児にボールを送る構想もあり、野球を通じた支援の輪ができつつある。

大ガス野球部で練習中に糸や革がほつれ、使用できなくなるボールは年間約200個。
1カ月程度でボールに不具合が出てくるといい、これまでは廃棄するしかなかった。
ボールの有効活用と野球を通じた社会貢献を模索していたなか、箱崎豊ヘッドコーチ(42)らの発案でハートボールプロジェクトは始まった。

地域貢献を掲げ、修繕を依頼する作業所とボールの寄贈先の高校は、大ガス野球部のグラウンドがある兵庫県西宮市内にこだわった。
15の作業所が参画し、硬式野球部をもつ市内12校が寄贈先に決まった。
作業所には1個あたり50~200円で修理してもらう。

この1年間で寄贈したのは千個。
野球部の倉庫で眠っていた4~5年分のボールが、高校球児に配られた。
硬式ボールは高価で、ボール不足に悩む高校も多いという。
箱崎氏は「再利用され、ボールも喜んでいるのでは」と話す。
作業所のスタッフを大ガス野球部の試合観戦に招くなど、作業所との交流も始まった。

大ガスは、今年から取り組みを広げる。
日本製紙の石巻硬式野球部(宮城県石巻市)にも同様の取り組みを呼びかける予定だ。
また、日本製紙石巻から西宮市の作業所にボールを送ってもらい、石巻市内の高校球児に寄贈する計画も構想中。
作業所のスタッフも被災地支援に関わる仕組みづくりを目指す。

箱崎氏は「作業所のスタッフの意欲もあがる。他地域でも同様の仕組みを広げていきたい」と話す。

産経新聞より

投稿者 trim : 2014年04月18日 15:00