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2007年09月29日

【東京都渋谷区】ヒートアイランド対策 標高、気温に合わせ緑再配置

土地の標高や気温に合わせて緑を再配置し、繁華街はドライミスト(人工霧)で冷やす――。

渋谷区が、ヒートアイランド対策を来年度から始める。
区内の平均気温を1度下げることが目標で、区民には建物、敷地の緑化を呼びかけて区内を「緑」で結ぶ。
区環境保全課の松嶋範行課長は「地形についてはこれまで考慮されてこなかった。気象データを収集し、科学的に有効な対策を実践したい」と話している。

渋谷区はこれまで、主に道路沿いや公園に樹木を植えてきた。
だが、区内でもJR渋谷、恵比寿駅周辺は標高が5~15㍍と低く、京王線笹塚、幡ケ谷駅周辺は台地で標高35~45㍍と高い。
標高の低い方が気温が高くなるため、区内の平均気温を下げるには、緑の植え方を再検討する必要があるという。

来年度にまず区内20カ所に温度計を設置し、昼と夜や四季による気温の変化を1年間にわたって計測。
その結果を受けて、樹木を適正に植える。
区の所有地は限られているため、民間企業が所有するビルや民家にも「緑化」への協力を依頼。
区の補助制度を強化し、ビル屋上や壁面の緑化、プランターの設置などを要請する。

繁華街など緑を植えることが難しい地区では、ドライミスト(人工霧)を使う。
ドライミストは2005年の愛知万博で披露され、話題を呼んだ。
空気圧で通常より細かい霧を噴射し、周辺の温度を一時的に下げる。
イベントなどで使うほか、渋谷駅周辺や区役所、渋谷CCレモンホール(旧渋谷公会堂)に設置する構想もあるという。

松嶋課長は、元々環境教育やリサイクルビジネスを実施する環境ベンチャー会社を経営。
2004年から区のプロジェクトの委員をしており、要請を受けて今年4月から任期付きの課長として採用された。
松嶋課長は「大企業を含めた区民の協力をいただきながら、5年以内に構想を実現し、気温を下げたい」と意気込んでいる。

毎日新聞より

投稿者 trim : 2007年09月29日 15:19