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2008年02月06日

バイオ燃料ビール技術で(サッポロビール他)

ビール大手が食料廃棄物や食用でない植物に含まれるセルロースからのバイオ燃料製造に乗り出す。

サッポロビールの技術を使ったプラントが3月に稼働するほか、サントリーやキリンビールもセルロースからエタノールを生産する技術の研究に着手した。
発酵などで蓄積したノウハウを活用し、需要拡大が見込まれるバイオ燃料の本格的な事業化を目指す。

バイオ燃料の原料としてはトウモロコシなどが一般的だが、食用と競合するうえ輸入に大きく依存、コスト、量とも調達には不安がある。
ただ確保しやすい廃棄物やセルロースは燃料にするまでの工程が複雑で、安定して生産に使うことは難しいとされてきた。

サッポロビールは、廃棄されたイモ類の皮などとおからを特殊な酵母とともにセ氏100度程度に加温、エタノールを効率的に生産する技術を開発済み。
1,000kgのイモ類と400kgのおからから350㍑のエタノールを生産でき、1㍑当たりの製造コストは100円程度という。
この技術を使う生産設備を静岡市内の食品廃棄物処理会社が購入、3月に稼働させる予定となっており、サッポロは今後も毎年1件は需要が見込めるとしている。

サントリーが始めるのは、セルロースを分解してエタノールを造る力を持つ特殊な酵母を使って生産工程を短縮する研究で、神戸大学や京都大学などと共同で行う。
セルロースの種類に合わせて働きが異なる酵母を作れ、様々な植物を原料に使えるようになる。

キリンビールはビールの製造後に残る麦などのカスを細かく砕いて発酵、エタノールにする技術を開発する。
茨城県取手市内に試験設備を建設し、年央までに実用化できるかを判断する。

これまでもアサヒビールが多収穫サトウキビを原料にしたエタノールを沖縄県で試験生産、キリンも北海道でテンサイや小麦を原料にした製造施設を受注した。
今後は未利用植物を原料にする技術の開発も強化する。

セルロースからのバイオ燃料量産では新日本石油やトヨタ自動車など16社も経済産業省、農林水産省などと共同で研究。
ガソリンや輸入エタノールに対抗するため1㍑40円程度まで製造コストを引き下げることを目指している。
サッポロビールなども利用拡大のため、今後も技術改良を続けていく。

日本経済新聞より

投稿者 trim : 2008年02月06日 14:07