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2009年01月13日

災害トリックゲーム

「震度6強で2000万円」「床上浸水で50万円」――。
徳島大環境防災研究センターの黒崎ひろみ助教(32)が、災害による損害を盤上で疑似体験する「災害トリックゲーム」を開発した。

出費をリアルに迫られることで災害の重さを実感する教育ツールで、黒崎助教は「楽しむ目的ではなく、現実の防災に生かしてもらえれば」と話している。

自ら提唱する「お金をかけず、現実的でありながら、生活自体を災害への備えにしていく」という「ライフ・マネジメント・デザイン(LMD)」に基づいて製作した。

ゲームはスタート時に実際の年齢などに応じて資産を設定し、サイコロを振って駒を進める。
5~8人程度でプレーし、勝敗はゴール後の資産額で決める。

止まった目により、プレーヤーは地震や台風に遭遇する。
地震ならサイコロを振り、震度と被害額を決める。
「6」なら震度6強で2,000万円の損害。
他に、震度7で「耐震化プラス地震保険なら700万、耐震化か地震保険で1,500万、耐震化してないなら3,000万円」と、保険や対策の有無で額が変動する場合もある。
収入は定期的な「給料日」のほか、「定期預金の利息払い」「宝くじに当選」などといった臨時のものもある。

先月16日には徳島大地域防災研究室所属の学生5人が挑戦。
何度も災害に遭った4年生の大西優(ゆたか)さん(22)は3,230万円の大赤字で、「スタート時に地震保険に入っておけばよかった。現実でもいろいろ考えないと……」と悔しそうだった。

今回の「就業世代」編に続き、今月中に「引退後」編を完成予定。
黒崎助教は「厳しいゲームですが防災・啓発に役立てば」と話し、ウェブサイトでのゲームの無料提供や、大学の授業や防災関係の講演会などで実際にプレーしてもらうことを考えているという。


毎日新聞より

投稿者 trim : 2009年01月13日 16:20