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2009年02月26日

【エコシティー】 福岡県立花町

福岡県立花町は給食用食器メーカーの岩本金属製作所(大阪市、岩本和倫社長)から竹繊維を使った学校給食用食器を約1,500個購入した。

立花町は1月9日から町内の2つの小中学校での給食で試験使用を始め、2009年度には全小中学校で使用する方針。

同町は竹を使った町おこしを進めており、岩本金属製作所は竹繊維による食器作りの事業化などで協力関係を深めたい考え。


岩本金属製作所が今回出荷したのは竹繊維51%、トウモロコシ由来の樹脂49%で作った素材の椀や皿。
表面はウルシ系の塗料で処理した。
強度や耐熱性が強い一方、焼却処理しても有害物質が出ないという。
価格も一般の給食用食器とほぼ同じに設定した。

同社は金属製食器の生産が主力だが、少子化の中で環境に対応した製品の開発で生き残りを図る。
新素材は大阪市立工業研究所や近畿の大学などと組んで開発した。
同社が生産した竹繊維製の食器は東京の給食センターで試験使用されるケースがあったが、実際の給食で使われるのは今回が初めて。

農業従事者の担い手不足などにより全国各地で荒れ放題の竹林が増えている。
竹林が適切に管理されずに放って置かれると、竹の地下茎が土中で横に伸びて近隣の里山や農地を荒らす原因となる。

立花町は同社に原料の竹を安定的に確保し、竹繊維製食器の量産化を後押しする考え。
「竹にかかわる企業の誘致に努めている」(企画財政課)。
竹の有効利用と環境保全を進める計画だ。

岩本金属製作所も「食器の製造ノウハウを提供するなど手助けをして町に協力したい」と話している。


日経産業新聞(2009年1月21日水曜日)より

投稿者 trim : 2009年02月26日 10:54