« 竹材マットで雑草繁茂防止 | メイン | 「エコプロダクツ2009」12月開催 »

2009年10月25日

沖縄の産業まつり

第33回沖縄の産業まつり(県工業連合会など実行委員会主催)は2日目の24日、初日に続き、那覇市の奥武山総合運動公園で農林水産品や工業製品など多彩な県産品の展示即売やステージイベントなどを行った。

一方、台風の接近で来場者は例年より大きく減少。
屋外での展示即売は強い風雨の影響を受け、25日の開催も中止となったが、産業まつりに合わせて来県した県外や海外のバイヤーと県内企業との商談、マッチング活動などが活発に展開された。


◆産業振興プロジェクト展 商談活発、手応え
沖縄総合事務局経済産業部が進める産官学の「OKINAWA型産業振興プロジェクト推進ネットワーク」の展示では、健康食品や化粧品など会員21社が参加。
商社や化粧品、インターネット通販など本土7社と中国・上海から初参加した食品会社のバイヤーが訪れ、出展業者と個別の商談や販路開拓相談などが活発に展開された。

アロエベラジュースを手掛けるコーラル・ベジタブル(宮古島市)の洲鎌善充社長は、開発中のドラゴンフルーツ製品で上海バイヤーと商談。
「中国市場の可能性は限りなく大きい」と手応えを語っていた。

会場ではあらかじめ設定された時間で商談や販路相談を実施。
事務局側がバイヤーらと事前に情報交換を密にして取り組んだ。

同ネットワークの洲鎌孝クラスターマネージャーは「より実利を生む場にしようと昨年までと仕組みを変えた。成約に近い話ができた業者も多かったようだ。来年はできれば香港などからもバイヤーも招きたい」と意欲を見せた。

◆エタノール精製技術などを紹介 南西石油などが環境展
県内製造業者らが集まったサブグラウンド会場では、環境や新エネルギー関連の展示が目立った。
昨年4月にブラジル国営石油会社ペトロブラスのグループ企業となった南西石油は、石油やバイオエタノール精製工程などを紹介した。
近い将来のエタノール混合ガソリン販売を計画している南西石油は昨年に続く出展だが、展示規模は約3倍に拡大。
エタノールを50%含むガソリンで動くラジコンのデモ走行もあり、親子連れでにぎわった。
同社は「首相の二酸化炭素(CO2)の25%削減目標が関心を集めているが、バイオエタノールという新エネルギーについて広く知ってほしい」と紹介した。

◆D-net展 企業との出合い図る
県立武道館アリーナ棟では、県工芸技術支援センターを事務局とする県産品デザイナーズネット連絡会議が「D-net展」を初出展した。
県が昨年度まで3年間行った「沖縄デザイン戦略構築促進事業」の集大成として3月に発行したデザイナー紹介集から、インテリアやグラフィック、ウェブ、ファッションなど12人の作品を紹介した。
同センターの大城直也主任研究員は「デザイナーとメーカーのマッチング(出合い)を増やしたい」と説明。
構築した異業種のデザイナーネットワークを今後も活用したいとしている。
同事業から生まれたデザインを使用した菓子業者の商品なども展示。
北谷町に「沖縄デザインセンター」の開設を予定する大城亮子さんは「県内の新デザインと沖縄のものづくり企業のマッチングを図りたい」と意欲を語った。

◆展示即売会 バガス新製品発表 津田食品はソデイカボール
県産品展示即売会場では食品・飲料や菓子・パン、工芸などの各ブロックごとに各社が自慢の新作などを披露。
健康食品コーナーでは琉球バイオリソース開発(本部町、稲福盛雄社長)が、サトウキビの搾りかす(バガス)を活用した食物繊維食品「バガッセ」の後継商品となる「カムカムバー」を紹介した。
約15㌢の棒状の「かむビスケット」で小麦粉やガラクトオリゴ糖などを配合。
パイン味と塩味の計30本入りで11月中旬ごろ発売する。
価格は税込み2,980円。
「従来より価格を抑えており、朝食やおやつに利用してほしい」と売り込んだ。

ありん・くりん市会場では、県商工会連合会長賞の最優秀賞に選ばれた「今帰仁アグー豚まん」を販売する津田食品(うるま市、津田隆光社長)が、ソデイカのすり身でモズクなどを包んだ新商品「ソデイカボール」「つるりんイカだんご」を初出展した。
加工後に捨てていたソデイカのひれ部分をミンチ状にして無駄なく使い、約2年の試行錯誤を経てすり身の味を固めた。
多くの客が試食し、チーズ、モズクなどを包んで油で揚げ、イカとマッチした風味を楽しんでいた。
同社の高嶋義則品質管理主任は「手軽な弁当用などで市場が見込めるので、販路拡大に頑張りたい」と話した。


琉球新報より

投稿者 trim : 2009年10月25日 16:24