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2009年10月04日

「いけだエコキャンドル」

環境に優しいまちづくりを進める福井県池田町で先月26日、家庭で不用になった食用油から作った廃油ろうそくを一斉にともすイベント「いけだエコキャンドル」が開かれた。

会場一面には約2万5,000個のろうそくが揺らめき、幻想的な雰囲気を楽しみに多くの人が来場した。

このイベントが始まって5年目。
同町で木工作品を制作している長谷川浩さん(40)は今年の実行委員長を務めた。

エコキャンドルの始まりは、町で2005年から始めた廃油回収事業のPRでした。
当時、池田町ではゴミの削減と有効活用を狙い、家庭から出る生ゴミを回収し、肥料にする「食Uターン事業」を2003年から始めるなど、環境に優しいまちづくりの機運が盛り上がっていました。

生ゴミと共に捨てていてもったいないのが「廃油」。
当時、全国で「菜の花プロジェクト」といって菜の花を育てて、種から菜種油を取り、食用などに使った廃油を集めてバイオディーゼル化して、さらに菜の花栽培のための機械のエネルギーとする循環型農業が少しずつ始まっていました。
これを参考に、池田町でも廃油を集めてバイオディーゼル化することになったのです。

しかし、単に集めるだけではもったいない。
「菜種油などから明かりを採っていたかつての暮らしを思い出し、もったいないの心をよみがえらせよう」と町役場や住民有志が始めたのがこのイベントです。


キャンドルは廃油を凝固剤で固め、しんを立てるまですべて手作りです。
町民有志やお年寄りが力を合わせて作っています。
アートを作るには、一定時間安定して火が着き続けていなくてはなりません。
このため、今でも油の量やしんの高さなどの試行錯誤を続けています。
イベントで使ったろうそくの燃え残りは再び溶かして翌年のろうそくに使うなど、ゴミの減量にも力を入れています。


イベントを始めてから今年で5年目ですが、奥が深くやめられません。
準備は1年がかりなので、町全体がこの日のための準備で一年中何かとにぎやかになります。
また、イベント当日以外にも、「取り組みを参考にするために」と、まちづくりに興味のある町外から見学に来る人も多くなりました。
農業か林業くらいしかない町だからこそ、このイベントの効果は絶大です。

また、もともとは環境への思いから始めたイベントですが、今は「人のつながり」や「日々の暮らし」そのものも見直すきっかけになればとの思いも込めてやっています。
点火には一般の希望者にも参加してもらっていますが、2万5,000個ものろうそくに火をつけるには力を合わさなくてはいけません。
イベントをきっかけに、「協力」や「もったいない」など当たり前の日常を見直すことができればと思い、また来年への準備に取り組みます。


毎日新聞より

投稿者 trim : 2009年10月04日 17:48