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2010年01月01日

イリオモテヤマネコ保護基金

「あらゆる生物が守られるシンボルであり、期待です」―。

イリオモテヤマネコの発見にかかわった動物文学作家の故・戸川幸夫氏の次女・久美さん (57)=目黒区=がイリオモテヤマネコの保護活動の取り組みを始めている。

1967年に新種記載されてから43年。
絶滅を回避し種の保全を図るために保護基金から資金を供出し、生息地の調査、研究活動に充てる。
保護の取り組みが「国内の豊かな自然を守るカギになる」と話す。

久美さんは1997年にトラ・ゾウ保護基金を立ち上げ理事長に就任した。
今年10月に生物多様性条約の締約国会議が愛知県で開催されるのを前に昨年11月、国内の「豊かな自然の象徴」としてイリオモテヤマネコを基金の保護対象に追加した。

「動物たちは同じ地球の仲間。野生の世界を残さないと、人類自らをも絶滅のふちに追いやりかねない」と思いを語る。

イリオモテヤマネコは西表島にだけ生息する希少な野生ネコ。
約20万年前に大陸から隔離されて以来、289㌔平方メートルの小島に生き延びたのは進化史上の奇跡ともいわれる。
近い将来絶滅の危険性が極めて高い絶滅危(き)惧(ぐ)IA 類に分類されている。

生物保護には開発か、自然保全かの課題が常に浮上する。
「人か動物かという話には、父も心を痛めていた。ヤマネコを守りたいけど、地元の人々を傷つけるのでは、と苦悩していた」と話す。

保護基金は、生息地調査を通し配慮すべきことを行政など関係機関に提言する。
手始めに長崎大学の元教授、土肥昭夫氏を委員長とする保全調査委員会を支援する。

「地元の要望も受け密に連絡を取りながら基金を出していく」と久美さん。
西表島の自然は「ありとあらゆる生物が守られるシンボルで、残された日本の自然の原風景。ファッション感覚のエコではなく、足元の現実の環境を守るため本気で取り組むべき時であり、場所」と強調する。

琉球新報より

投稿者 trim : 2010年01月01日 13:59