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2010年03月26日

循環型 さらなる挑戦へ

岩手県葛巻町のエコスクール「森と風のがっこう」が、今月下旬から一足早く新年度のプログラムをスタートさせる。

子どもたちを中心に、自然の力を生かした循環型の生活を体験してもらう活動は10年目。

運営するNPO法人は10年先を見据え、木工品の製造販売など新規事業の検討も進めている。

新年度最初のプログラムは小学4年~中学3年が対象。
27日から4月2日まで6泊7日で地球温暖化問題をテーマに、太陽光発電などを利用した生活スタイルを紹介する。

子どもたちが集団の中で自分の役割や居場所を見つけ、楽しみながら学ぶことが前提。
今回は2月に募集を始め、10日ほどで定員のⅡ0人に達した。
多くがリピーターで関東からも参加する。

「がっこう」は標高700㍍の山あいの小さな集落にあり、廃校の小中学校を活用している
新年度はスクール以外に6月まで各月1回、森の暮らしを学ぶワークショップを開催する。

運営する法人は「岩手子ども環境研究所」。
代表で、今月で県立児童館「いわて子どもの森」(一戸町)の館長を退任する吉成信夫さん(53)が2001年夏に開いた。
敷地内にはカフェも併設され、親子連れや地域の人が気軽に立ち寄れるようになっている。

年間の訪問者数は延べ約5,000人。
校舎隣に整備中の「エコキャビン」は、自然エネルギーで電力を自給する滞在研修施設。
新年度に完成する予定で、かわいらしい外観が人目を引いている。

現場責任者の黍原(きびはら)豊さん(32)は愛知県出身。
大学進学で訪れた岩手で吉成さんと出会い、開校にかかわった。
「エコといっても肩ひじ張らずに、楽しむことが大事。僕自身、パソコンや電気がないと生活できない」と笑う顔に気負いはない。

法人が抱える課題は自主財源の基盤整備だ。
受講費やカフェ売り上げに頼っているのが実情で、年間約1,000万円の運営費の3分の2ほどは各財団の助成などで賄っている。
新たな収入源として集落が高齢化する中、山仕事を引退した人たちの力を借りて木工品の製造販売を検討している。

吉成さんはこれまでの歩みを「マンネリ化せずに挑戦と自己評価を重ねて事業を継続できた」と総括する。
今後の活動については「集落の人たちとともに小さな経済を生み出せるよう、今年1年をかけて10年先の構想を考えたい」と話す。


河北新報より

投稿者 trim : 2010年03月26日 10:43