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2010年05月17日

野菜を手作り 人気スクスク


幅広い世代で野菜作りに取り組む人が増えた結果、農機や殺虫剤の売り上げが伸びている。

土や緑に触れる楽しみはもちろん、安全で安心な食品を求める動きが追い風となり、関連メーカーも講習会の開催など新たなファン層の取り込みに力を入れ始めた。

野菜作りブームを証明しているのが、市民農園の伸びだ。


「10平方㍍程度を借りて手軽に楽しむ人が増えている」(クボタのトラクタ事業推進部)のが理由で平成20年度に全国で3,382カ所。
この10年で6割近くも増えた。

農機の中でも顕著な伸びを示すのは、取り扱いの簡単なミニ耕運機だ。
クボタの場合、好調なのはカセットコンロ用のカセットガスを燃料とした「ニューミディ カチット」。
農機専門店など一般ユーザーになじみの薄い場所で扱うため「販売計画は慎重だった」が、今年1月の販売開始以来、3ヶ月で1,000台を突破した。
年間目標に匹敵する数字という。


昨年のサントリーフラワーズの野菜苗「サントリー 本気野菜」の販売個数は前年比5割増の51万個。
今年は品種を大幅に増やし、売り上げ倍増を狙う。


ハンドスプレータイプの殺虫剤の場合、昨年の市場規模は前年比で1割以上伸び、とりわけ天然成分系は5割増となった。
背景についてフマキラーの大瀧修司マーケティング部グループリーダーは「家庭菜園が牽引役。より安全性を求める動きが強まっている」と分析する。

こうした流れを確実なものにしようと、各社は野菜の育て方に焦点をあてたイベントなどPRに余念がない。

クボタは昨年から「家庭菜園教室」を立ち上げ、関東近郊で10回程度実施。
今年は東海や九州地区にも開催場所を広げ、20回以上開く考えだ。
クボタでは、「消費者との結びつきを強めたい」としている。


家庭菜園ブームについてタキイ種苗(京都市下京区)の瀧井傅一社長は「新しい農業分野だ」と指摘。
若い世代に向けて、ミニトマトなどの正しい育て方を伝授するため、昨年から始めた「ベランダやさい学科授業」を積極的に進めている。

フマキラーも講師に専門アドバイザーを迎えて、ホームセンターなどと共同で行う「寄せ植え教室」の普及に力を注ぐ。

フマキラーによると、家庭菜園を始めて1年以内で中断する人は4割に達するという。

新規顧客の開拓とともにいかにつなぎとめを図るか。
関連市場を育てるには、各社の知恵がカギとなりそうだ。


産経新聞より

投稿者 trim : 2010年05月17日 11:21