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2010年05月19日

廃棄物処理策テコ入れ

神奈川県は県内企業や自治体に対する廃棄物処理の支援策を強化する。

電気機器に有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入していないかどうかを調査する企業には7月から補助金を支給。

独自のリサイクル製品の認定制度を来月から始めるほか、レジ袋を使わないモデル地域を拡大する。

廃棄物の削減を進めるとともに、頭打ちとなっているリサイクル率の向上へ向け、県民や企業に協力を促す。


PCBを含む電気機器は毒性の指摘を受けて1972年に製造が中止されたが、企業が気づかず保管しているケースが多い。
このため県は中小企業の変圧器や蓄電器などに対するPCBの混入検査に補助金を創設
7月から希望企業の募集を始め、1台あたり3万円を上限に調査費の2分の1を支給する。
混入機器の実態把握につなげる。


県は来年にも施行される改正廃棄物処理法をにらみ、企業向け説明会や講習会も開催する。
第1弾として今月13日には県内4市と連携し、横浜市内で県内700企業に説明会を実施。
法人による不法投棄の罰金が1億円以下から3億円以下に引き上げられる点を説明するなど、産業廃棄物の適正な管理を呼びかけた。


一方、家庭ごみなどの再利用にも力を入れる。
ペットボトルを使った衣服など、リサイクル製品の認定制度を首都圏で初めて創設。
「原料が県内で発生した循環資源」を条件に、6月から1カ月間、希望者を募集する。

指定されれば、認定マークと番号を製品に表示できる。
県が企業の紹介冊子も作成し、市町村や消費者団体に配るほか、環境イベントなどを通じて製品を企業に紹介する。


市町村が主体となる廃棄物削減の取り組みも後押しする。
今年から茅ヶ崎市と藤沢市の片瀬・鵠沼地区をレジ袋を使わないモデル地区に指定
県の「キャラバン隊」がパンフレットを配るなどマイバック利用を促す。
賛同する150の店舗や消費者団体と連携しレジ袋を使わない買い物への割引を導入。
今後もモデル地域を増やしていく。


県によると県内の一般廃棄物排出量は2008年に約321万㌧で減少傾向にあるが、再生利用率は同年までの4年間で23~25%と、横ばいが続いている。

東京都や千葉、埼玉など関東近県も同水準にとどまる。

神奈川県資源循環課は支援策強化で「5年後までにリサイクル率を34%まで高めたい」としている。


日本経済新聞より

投稿者 trim : 2010年05月19日 11:14