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2010年08月04日

本場ドイツで一番搾り製造

キリンホールディングスは3日、ビールの本場ドイツで10月上旬から「キリン一番搾り」を製造すると発表した。

日本のビールブランドのドイツでの製造は初めて。

ドイツではビールの製造や品質について厳しい基準が法律で定められているが、昨年から一番搾りを麦芽100%に製法を切り替えたことで現地生産が可能になった。

一番搾りは欧州大陸23カ国で販売されており、本場ドイツに乗り込み、鮮度の高いビールを欧州各国に供給する。


一番搾りを製造するのは、ミュンヘン郊外フライジング市にあるヴァイエンシュテハン醸造所。
1040年に創業した世界最古のビール醸造所で、23,000㌔㍑の生産能力を持つ。
キリンは醸造所に23万ケース(330㍉㍑瓶24本換算)の製造を委託し、欧州各国に一番搾りを供給する予定だ。

一番搾りは、現地では「KIRIN ICHIBAN」の名称で販売されている。

価格はドイツで500㍉㍑缶が1.8ユーロ(約200円)前後。
少々割高だが、主に日本料理店などを中心に流通している。

これまで欧州向けは、ロシアと英国で委託製造してきたが、ドイツに生産拠点ができたことで「欧州大陸向けの物流コストを大幅に短縮でき、環境負荷の軽減にもつながる」(同社)としている。


ドイツは本場だけに麦芽100%しかビールと認めないお国柄。

1516年にできた「ビール純粋令」という世界最古の食品関連の法律で「ビールは大麦、ホップ、水のみを原料とする」と定めている。

キリンは昨年、一番搾りを完全刷新し、副原料を使用せず麦芽100%にした。

ヴァイエンシュテハン醸造所からも「(一番搾りの製造は)われわれにとって新しいチャレンジ。味のコンセプト、品質には特に共感できる」とお墨付きを得たという。


キリンは「欧州大陸でのプレミアムブランドの地位を確立するとともに欧州の顧客に『日本のビール』という新しい価値を提案したい」と意気込んでいる。
【石垣良幸】


フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2010年08月04日 11:18