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2010年12月11日

「今年の漢字」

熱中症、野菜価格の高騰、餌不足によるクマの人里への出没――。

16回目を迎えた「今年の漢字」に10日、これらの原因となった今夏の猛暑を端的に表す「暑」が選ばれた。

発表会場の清水寺(京都市東山区)に集まった関係者や参拝者は、感慨を込めてこの1年を振り返った。

清水の舞台(本堂)を見渡せる奥の院舞台は、日中なのに厳しい冷え込みだった。
森清範(せいはん)・貫主(かんす)は縦150㌢、横130㌢の巨大な越前和紙に向き合い「暑」と一筆で書いた。

揮毫(きごう)後、森貫主は「『地球環境はこれでいいのか』とみんな思ったのでは。政治・経済では、なかなか理想に到達しないジレンマが人々を『熱く』させた」と振り返った。和紙の奉納法要では、熱中症で死亡した人もいたことを観音様に報告したという。
 主催者である日本漢字能力検定協会の池坊保子理事長も「(猛暑で)精神的につらい思いの数カ月だった」と話した。

実は、森貫主の予想は「地」。
尖閣諸島を巡る領地の問題や、証拠改ざんで揺れた大阪地検、地上デジタル放送などが理由だ。

しかし20位までにランクインしなかった。
「いろいろな出来事があり、1字にまとめるのは至難の業。それを超えるのが『暑』だった」と話した。

「来年の漢字」を問われ、森貫主は「地球に育まれている私たちが、みんな結ばれているとの思いから『結』が選ばれ、世界中が平和であってほしい」と結んだ。

友人と参拝に来た神戸市西区の高校生、小林正明さん(18)は「中国との摩擦や、政権内部での小沢一郎氏を巡る政治抗争があり、『争』だと予想していた。ただ、確かに暑かった」と話した。

漢検を巡っては2009年4月、不透明な運営が問題視され、元理事長親子が辞任。
「新生漢検」の下で2回目となるセレモニーの会場に親子の姿はなかった。
【熊谷豪】

毎日新聞より

投稿者 trim : 2010年12月11日 17:44